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令和2年度以降入学者 | 自然地理学特別講義 | ||||
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教員名 | 八木浩司 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 地理学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | WM2451016 2024自然地理学特別講義(八木浩司・前・月3) |
授業概要 | 全地球規模での気候変化は,単に気温の変化のみならず陸域・海域の拡大縮小や海面の上昇・下降を引き起こした結果,地表に過去の海岸や流路跡を現在に残している.すなわち地表は,過去の様々な環境下で発達した地形面の複合体である.また,気候変化に伴う海面変化が人類の活動領域にも影響している.この授業では,日本やその周辺地域とヒマラヤ地域を取り上げ,地図,画像資料を用いて地表に残された様々な時期の地形面を個々に認知・区分・解析することで,断層運動・山地形成までをも捉えることが出来ることを示す.また,それらの知見をもとに,地形が気候や植生さらには人々の暮らしにまで影響を与えていることと示す. |
授業のねらい・到達目標 | 第四紀後半,約100万年間の地球環境変動とりわけ気候変動と地殻変動との重合現象として現れる地形変化について10³〜10⁶年の時間スケールで理解する.地球環境科学分野のうち地圏環境科学,特に人類の活動場としての地表の成り立ちを学ぶ.身近な景観が過去の環境変化とともに発達したことを理解することを到達目標としている.そして,受講者らが将来さまざまな状況で目にする地形景観から,その地域の自然史を自ら解き明かせる切り口を得られるようにする. |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 最も新しい地質時代,すなわち過去100万〜数万年の時間スケールでの環境変化を理解するため,地形図資料,画像資料を常に提示しながら講義形式で実施する.受講者と調整して土曜日あるいは日曜日を利用して,実際の地表に残された過去の海面下で形成された平坦面や崖線を辿ることを計画している. |
授業計画 | |
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1 |
発達史地形学への招待:地形面とは何か? 段丘面(平坦面)と段丘崖の意味を読みとる 【事後学習】地図作業結果の提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
2 |
地上に残された氷河時代の痕跡 氷河地形の解説と日本にも残されている氷河時代の地形 【事後学習】地理院地図を用いて国内に残された氷蝕谷を探す (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
3 |
海底に残された氷河時代の痕跡 日本周辺や海外での沈水谷の発見 【事後学習】GoogleEarthProを用いて世界の沈水谷を探す (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
4 |
気候変化と人類活動 海面低下にともなう海域の縮小とモンゴロイドの移動 【事後学習】GoogleEarthProを用いてベーリンジアの領域を復元する (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
5 |
地球史解明のツールとしての年代測定 放射性炭素同位体年代測定,OSL年代測定,宇宙線生成核種年代測定,火山灰編年法 【事後学習】年代測定法について復習 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
6 |
深海底や大陸氷床に残された気候変化の記録と気候変化の原因 深海底堆積物の酸素同位体比の変化から読み取られた気候変化 【事後学習】過去300万年間の気候変化についてまとめる (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
7 |
気候変化と地殻変動の重合現象としての地形発達・海成段丘の発達 地形を作るもう一つの大きな力としての地殻変動 【事後学習】地理院地図を用いて関東平野の段彩地図の作成 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
8 |
東京の地形面1(可能であれば野外を歩いて学ぶ) 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 日常何も気にせず歩いている坂道の意味を探る 【事後学習】地理院地図を用いて東京周辺の平坦面と開析谷の分布図を作成. 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
9 |
東京の地形面2(可能であれば野外を歩いて学ぶ) 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 日常何も気にせず歩いている坂道の意味を探る 【事後学習】地理院地図を用いて東京周辺の平坦面と開析谷の分布図を作成. 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
10 |
大地形を読み取る:ヒマラヤ地域の地理的定義と他地域との比較 東西2000kmの大山脈の両端は大河によって画されている 【事後学習】GoogleMapを用いてヒマラヤ周辺国を確認する (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
11 |
ヒマラヤ地域の地質構造の形成と地質帯区分 ユーラシア大陸とインド亜大陸の衝突で形成されたヒマラヤ山脈 【事後学習】GoogleEarthProを用いてインド洋中央海嶺の位置を捉える (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
12 |
ネパール・ヒマラヤの活断層と地形帯区分 現在でも続くヒマラヤ山麓部での活断層の活動と地殻変動 【事後学習】2015年ネパール・ゴルカ地震について調べてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
13 |
ヒマラヤの発達と北半球の気候形成 モンスーン気候を引き起こすヒマラヤ・チベット高原 【事後学習】エルニーニョとは何かをまとめてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
14 |
ヒマラヤ地域の植生と農耕・食生活 地形的・気候性が生み出す多様な植生とそれに基づく食文化 【事後学習】サラソウジュについて調べてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
15 |
ヒマラヤ地域における自然災害 モンスーン地域であり高起伏地域あることが斜面災害を多様化させていることを知る. 【事後学習】ヒマラヤ地域で近年起こった斜面災害について調べてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 特定の教科書は指定しません. 参考書を図書館で借りたりして独自学習して下さい. |
参考書 | 貝塚ほか 『写真と図で見る地形学』 東大出版会 1985年 第増補新装版 池田安隆ほか 『活断層とは何か』 東大出版会 1996年 酒井治孝 『ヒマラヤ形成史』 東大出版会 2023年 第1版 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(60%)、レポート:授業中に課題を与える.(40%) |
オフィスアワー | 非常勤講師であることから授業前後の時間に質問に応じる |