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民俗学

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令和7年度以降入学者 民俗学
令和2年度以降入学者 民俗学
教員名 斎藤弘美
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
授業概要 民俗学の基礎知識を得ながら「いま」の私たちと「むかし」の日本人を繋ぐ民俗の知恵について考えます。
さまざまな事例から、今、私たちの身の回りで起きていること、日常生活で「当たり前」として行っていることを「民俗学の視点」から検討することで、それらの持つ「意味」や「本質」を理解することができます。
授業では時事問題や講師自身が収集した調査の事例、あるいはDVD資料などを活用することで、より興味深く、理解を深めることができます。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
この授業では、現代の課題を理解するための「自省の学」としての民俗学を学びます。課題解決のためには、これまで「当たり前」と思っていたことを問い直し、その意味を知ることが大切です。授業を受け、自ら考えることにより、気付く習慣を身につけます。さらに「当たり前」と思っていたコトやモノについての変化と不変を知るとともに、自らの内にある『民俗』の意味と生活の背後に存在する「過去・現在・未来」の関連を探ります。
<到達目標>
最も大切なことは「当たり前を疑う」力を身につけることです。それには「無意識の意識」に気付く力を付けること。授業を積極的に受けることにより、次第に自ら「気付く」「考える」「調べる」習慣を身につけることができるようになります。
最終的には「現在の課題に答える学問」としての民俗学の可能性を理解することに繋がります。
<ディプロマシーとの関係>
この科目は、文理学部のDP1,2,3及びCP1,2,3に対応しています。
<日本大学教育憲章との関係>
・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて,自己の倫理観を倫理的な課題に適用することができる。(A-1-3)
・世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,複数の世界観に立って解釈し説明できる。(A-2-3)
・仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的な考察を通じて,課題に対する見解を示すことができる。(A-3-3 )
授業の形式 講義
授業の方法 ①授業はすべて対面で行い、より深い理解を促すために必要に応じてDVD視聴や関係資料の配付、参考文献の紹介などを行う。
②毎回、授業終了後には、自ら「気付いたこと」「考えたこと」「疑問に思ったこと」をリアクションペーパーに記入し提出する。
③毎回、授業の始めに、前回提出されたリアクションコメントを紹介し、疑問に答えることなどでフィードバックを行い、双方向性を持った授業とする。これにより自分とは異なる視点に気付き、問題意識を共有することができる。
④板書は要点項目のみ記載するため、ノートの取り方を工夫するとともに、授業後は必ずノート整理をして復習しておくこと。
⑤民俗学は受講だけでなく、自分自身で民俗を体験し、あるいは話を聞き、調べ、考えることが大切であることから、成果物として期末レポートの提出を求める。
履修条件 履修定員は80名とし、CHIPSによる抽選を行い、決定します。
原則として対面授業に出席できることを履修条件とします。
授業計画
1 ガイダンス・民俗学という学問について(入学式と花見に潜む日本人的思考について考える)
【事前学習】シラバスを確認し、授業全体の流れを確認しておく (1時間)
【事後学習】入学式、花見、宴会の関連性について復習する (2時間)
【授業形態】対面授業
2 民俗の発見・ケ時々ハレ(日本人とカミについて考え「無意識の意識」に気付く=自省の学を理解する)
【事前学習】民俗学がどのような学問かについての理解を整理しておく (2時間)
【事後学習】ハレとケに関して正しく理解するため、その意味を整理しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
3 月と太陽・カミの時間とヒトの時間(旧暦と季節感・マツリの本当の意味を知り、身近に存在していた民俗の知識に気付く)
【事前学習】ハレとケに関する事例を自分の生活に即して考えてみる (2時間)
【事後学習】旧暦に関する知識を復習、整理して理解しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
4 祝日と日本人(連休を前に祝日・休日の意味を考える・日本人が仕事と休みをどのように考えてきたか、民俗学の視点から読み解く)
【事前学習】日本の祝日に関する知識を整理しておく (2時間)
【事後学習】日本人にとって「祝日」の意味を理解する (2時間)
【授業形態】対面授業
5 コメの力・モチの力(日本社会におけるコメの力・モチの力を多様な視点から理解する)
【事前学習】祝日と食事について自らの経験を振り返って確認してみる (2時間)
【事後学習】日本における米・稲作・水田と民俗の関係を整理し、理解しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
6 食と民俗①(世界無形文化遺産としての「和食」は民俗文化・食器と箸と食卓の日本的発展とは)
【事前学習】ユネスコの世界文化遺産について調べ、理解しておく (2時間)
【事後学習】日本の食文化についての知識を整理するとともに食と民俗の関係を考える (2時間)
【授業形態】対面授業
7 食と民俗②(日本人は誰と、何を、どのように食べてきたか・「共食」の民俗について考える)
【事前学習】1年間を通しての自分の食生活、とくにハレとケの食事を検討してみる (2時間)
【事後学習】食文化と共食に関して理解したことを整理しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
8 人の一生①(生と死の民俗・日本人の死生観について学ぶ)
【事前学習】年中行事だけでなく、冠婚葬祭などの儀礼における共食についても考えてみる (2時間)
【事後学習】誕生と死に共通する意味を理解するよう復習しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
9 人の一生②(子どもと大人、一人前、結婚の意味を考える)
【事前学習】一般的な人の一生に関しての知識を得て授業に臨む (2時間)
【事後学習】人生儀礼、通過儀礼について、その構造と機能、「意味」を理解する (2時間)
【授業形態】対面授業
10 家族と親族(日本社会の伝統と現代の家族・親族を考える)
【事前学習】自分の家族、親族関係を調べ、授業で学ぶ過去の事例と比較できるようにしておく (2時間)
【事後学習】家族・親族関係の変化と不変から日本社会についての理解を深める (2時間)
【授業形態】対面授業
11 日本社会のイエとムラ(世界最大の老舗大国の謎を解き明かす・家とイエ、村とムラの違いを知り、日本社会の構造を考える)
【事前学習】日本の家制度に関する歴史的な知識を整理しておく (2時間)
【事後学習】イエとは何か、ムラとは何か、学んだことをを復習しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
12 日本社会のウチとソト①(日本家屋に見るウチとソトの意識・世界観を考える)
【事前学習】屋敷・間取りなどに関する基本的な知識を整理しておく (2時間)
【事後学習】日本人の住まいに対する意識とモノの見方、考え方との関連について復習しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
13 日本社会のウチとソト②(ウチとソトをキーワードに「旅の恥はかきすて」「渡る世間は鬼ばかり」が意味する日本人の無意識の意識を考える)
【事前学習】自らの無意識の意識に存在するさまざまなレベルのウチとソトを考える (2時間)
【事後学習】ウチとソトという視点から日本社会の基礎構造を、関連する文献などで検討する (2時間)
【授業形態】対面授業
14 異文化理解と共生(ウチとソトの意識から日本人の異文化理解と多文化共生への課題を考える)
【事前学習】日本社会における差別の構造をウチとソトという視点から考えてみる (2時間)
【事後学習】これまでに学んだことを元に期末課題レポート作成を進める (2時間)
【授業形態】対面授業
15 民俗学を学ぶ意味を知る(授業の補足と総括を行い、疑問・質問に答える)
【事前学習】これまでの授業に関してノート等を整理し、疑問点があればまとめておく (3時間)
【事後学習】学修した内容を整理し理解する (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 使用しない
参考書 福田アジオ他 『図説 日本民俗学』 吉川弘文館 2009年
上記のほか、授業内にて必要に応じて紹介する
成績評価の方法及び基準 レポート:学修したテーマ・内容をもとに独自に調査・研究した期末レポートを提出することでA1,2,3の理解度・達成度を確認し評価する(40%)、授業参画度:リアクションコメントの内容により自ら考え学ぶ姿勢とA1,2,3理解度・達成度を評価(60%)
病欠等、申告により認められた欠席の場合は、期末レポート提出と同時期に公表する欠席者用特別課題を提出することにより、授業参画度評価を行います。提出に当たっては、事前あるいは事後に理由を記載した欠席届をメール等により提出し、やむなしと認められていることを条件とします。
期末レポートおよび欠席者用特別課題はCanvasLMS上に提出してください。
オフィスアワー 授業時間の前後に直接受け付ける

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