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憲法

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令和7年度以降入学者 憲法
令和2年度以降入学者 憲法
教員名 上岡敦
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
授業の形態 授業にて配布した資料等は、著作権上問題のあるものを除いてGoogle Classroomを用いて配信する。欠席の場合も含め理由の如何に関わらず、遠隔対応・課題などは課さない。欠席した場合は、配信する資料等を用いて十分に自己学修に努めること。クラスコードはCanvasLMSにて配信する。
授業概要 18歳選挙権が導入されるとともに多様な課題を抱える現代社会において、社会の担い手である我々は課題解決のために何らかの判断を迫られることとなる。その際には、憲法が規定する自由や権利、国家制度の関係を理解し、論理的な判断を行うことができるような力が必要になるといえる。本科目では、上記のような問題意識に基づいて⽇本国憲法の基礎知識および解釈論についての各種判例・学界通説を基に講義を⾏うことを通じて、受講者が⽇本国憲法の定める⼈権保障および統治機構の仕組みについて理解し、日々変化する社会にあっても、論理的思考に基づいた判断を行うことができる力を身につけられることを意図している。なお、本講義は教職科目としての性格も持つものであるため、⽇本国憲法の解釈論についての専門的な内容ではなく、体系性を重視した⽇本国憲法の解釈論のうち最低限の基礎的内容を取り扱いたい。したがって、必ずしも憲法学上の重要論点全てについて十分に言及できるわけではないことに留意してほしい。
授業のねらい・到達目標 ・憲法の役割、憲法と⽣活の関わりなど、規範としての憲法について⾃らの⾔葉で説明できる。(A-2-1)
・日本国憲法の解釈論の学修を通じて、法的思考を様々な問題に応⽤できる。(A-3-2)
・日本国憲法の学修を通じて、人権保障のみなならず日本の社会制度を理解することができる。(A-4-1)
・各種公務員試験を受験するための基礎知識、学校教員が備えるべき素養としての憲法に関する基礎知識を習得し、主要な学説、判例について⾃らの⾔葉で説明し、法的な観点から評価することができる。(A-4-1)
この科目は文理学部のDP 及びCP の2、3、4に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 講義形式で⾏うが、適宜パワーポイントなどの補助資料を使⽤する。毎回リアクションペーパーを配布するので、質問や要望などがあれば提出をすること。なお、社会的状況、受講者の理解度などに合わせて授業計画を変更する場合がある。本科⽬の学修、および単位取得は、扱う内容の性質上、馴染みにくく受講者にとって負担の大きいものになることが予測されるため、毎回の講義に際しては、十分な自己学習と真剣に取り組むこと姿勢が強く求められる。法律学を始めとする社会科学の領域では専門用語も多いため、単語等については辞書等をこまめに引くことも重要となる。授業時間数の関係上、教科書や憲法に関する全ての問題を扱うことは難しいため、教科書や授業中に提⽰される参考⽂献等で論点を整理しておくことが重要となる。
履修条件 講義は、受講者が法律学の基本的な知識を理解していることを前提として進めるため、法学を履修済みまたは並行履修していることが望ましい。未履修者は、参考文献等、何らかの手段を用いて学習をしておくことが望まれるものの、法学未履修者の受講を妨げるものではない。なお、他の受講者に迷惑となるような⾏為全般を禁⽌とし、スマートフォン等による、スライドの撮影や、⾳声の録⾳も禁⽌する。また、新聞などに目を通し、政治、社会問題に対して関⼼や問題意識を持った上で授業に臨むことが望ましい。授業資料の配布等はGoogle Classroomを用いる予定であるため、NU-AppsGのアカウント(@g.nihon-u.ac.jp)が必須となる。未取得の場合は、授業開始までに必ず取得しておくこと。Google ClassroomのクラスコードはCanvasLMSにて配信するため、履修予定者は必ず初回授業時までにCanvasLMSを確認し、Google Classroomに登録をしておくこと。
*本科目はCHIPSによる抽選を行うため、履修予定者は必ず手続きを行うこと。
授業計画
1 憲法を学ぶ意義:
政治を行う上での前提となる憲法や法と、社会との関わりから憲法を学ぶことの意義を確認し、講義全体の流れを説明する。(A-4-1)
【事前学習】教科書第1章、第2章に目を通し、憲法という言葉に自身が持っているイメージをまとめるとともに、シラバスを確認し、自身の関心のある分野、問題について整理をしておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提示された参考文献等に目を通し、法と社会の関わりについて自分なりの事例と言葉で説明できるようにするとともに、自身の専攻分野と関連のある問題とは何か考えてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 天皇制:
象徴としての天皇の地位・性格及び権限について検討する。(A-4-1)
【事前学習】教科書第3章に目を通す他、憲法第一章の各条文を確認し、天皇制をめぐる問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 平和主義:
平和主義を規定する憲法第9条に関し、論理構造や解釈をめぐる議論を検討する。(A-2-3)
【事前学習】教科書第4章に目を通す他、憲法の前⽂、第9条の条⽂を確認し、平和主義をめぐる問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 人権総論:
憲法を学ぶ前提としての、⼈権の意義や概念の変化を検討する。(A-2-3)
【事前学習】教科書第5章に目を通す他、憲法の前⽂、第10条〜第12条を確認し、⼈権という考えの基本的意義について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 幸福追求権・法の下の平等:
包括的基本権としての憲法第13条の特徴、法の下の平等をめぐる考え方について検討する。(A-3-2)
【事前学習】教科書第6章、第7章に目を通す他、憲法の第13条、第14条の条文を確認し、新しい人権をめぐる問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 精神的自由権Ⅰ:
憲法が定める精神的自由権のうち思想・良心の自由および信教の自由について検討する。(A-4-2)
【事前学習】教科書第9章に目を通す他、憲法の第19条、第20条を確認し、思想・良心の自由および信教の自由をめぐる問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 精神的自由権Ⅱ:
憲法が定める精神的自由権のうち、表現の自由および学問の自由について検討する。( A-4-2)
【事前学習】教科書第9章に目を通す他、憲法の第21条、第23条の条文を確認し、精神的自由権の意義について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 経済的自由権:
憲法が定める経済的自由権について検討する。(A-4-2)
【事前学習】教科書第10章に目を通す他、憲法の第22条、第29条の条文を確認し、精神的自由権と経済的自由権の保障の特徴について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 人身の自由: 憲法が定める人身の自由について検討する。(A-2-3)
【事前学習】教科書第8章に目を通す他、憲法の第31条、第33条〜第40条に⽬を通し、人身の自由の保障の意義について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 社会権:憲法が定める社会権について検討する。(A-4-3)
【事前学習】教科書第11章に目を通す他、憲法の第25条〜第28条の条文を確認し、社会権をめぐる問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 参政権と選挙制度:憲法が定める参政権および選挙制度の基礎について検討する。(A-4-3)
【事前学習】教科書第12章第1節およびに第13章第5節に目を通す他、憲法の前⽂、第15条、第16条、第47条の条文を確認し、民主主義と選挙の関係について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 国会:⽇本の国会の仕組みについて検討する。(A-4-2)
【事前学習】教科書第13章に目を通す他、憲法の第4章の各条⽂を確認し、国会中継など実際の国会の活動を見て、国会の役割について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 内閣:⾏政権の意義と内閣の役割、議院内閣制の特徴について検討する。(A-3-3)
【事前学習】教科書第14章に目を通す他、憲法の第6章の各条⽂を確認するほか、日本の行政機構図等を確認し、各国の議院内閣制について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 司法権と裁判制度:憲法が定める司法権および⽇本の裁判制度について検討する。(A-4-1)
【事前学習】教科書第15章に目を通す他、憲法の第6章の各条⽂を確認するほか、裁判所のWebページを確認し、裁判所の業務等について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 財政・地方自治・憲法改正:憲法が定める財政、地⽅⾃治、憲法改正⼿続きについて検討する。(A-4-1)
【事前学習】教科書第16章、第17章、第18章、第21章に目を通す他、憲法の第7章、第8章、第9章の各条⽂を確認し、自身の関心のある問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通すほか、判例等も確認し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 東裕・杉山幸一編 『日本国憲法』 弘文堂 2022年
日本国憲法をめぐる論点は多岐にわたるため、講義では教科書全ての章や内容をまんべんなく取り上げる事は避け、基本的な項目の他、補足しておくべき項目について取り扱いたい。指定教科書は基礎的な内容から発展的な内容まで網羅されており、自習用としても有意に利用できる内容となっているため、講義と教科書の双方を活用して日本国憲法に対する理解を深めてほしい。
参考書 澤⽊敬郎・荒⽊伸怡・南部篤 『ホーンブック 法学原理』 北樹出版 2015年 第4版
安念潤司・⼩⼭剛・⻘井未帆・宍⼾常寿・⼭本龍彦編  『論点 ⽇本国憲法』 東京法令出版  2014年 第2版
参考⽂献は授業内で随時提⽰をするが、さしあたり上記をあげておく。澤⽊他は法学の基礎的内容の⾃習⽤に、安念他編は憲法の基礎を踏まえた上で発展的学習をする際に有⽤と思われる。憲法に限らず、法律の学習は条文を参照することが必須となるため、最低限、日本国憲法の条文をすぐに参照できる状態で授業に臨むこと。
⾼校時代に政治経済を履修した事がある場合は、授業開始までに使⽤していた教科書、参考書等も有効に活用することが可能と思われる。授業開始までに中学、高校時代の教科書などを一読し、憲法に関してどういった事柄が扱われていたのかを確認し、⾃⾝の興味、関⼼のある分野、問題意識を明確にしておくと、講義内容により関⼼を持てるかと思われる。
成績評価の方法及び基準 試験(100%)
原則として試験期間で実施する試験で評価を⾏う。試験では授業内容が踏まえられているかという点を中心に自分なりの学習成果が見られるかという点も加味しながら、授業内容を正しく理解できているかどうかを評価する。ただし、必要とみなされる場合には、毎回のコメント内容など、授業への参加意欲を考慮する。なお、リアクションペーパーなどの提出は単位を保証するものではない。
オフィスアワー 授業後の教室等のほか、Google Classroomのコメント機能等を利用して対応する。

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