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戦後日本の政治

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令和7年度以降入学者 戦後日本の政治
令和2年度以降入学者 戦後日本の政治
教員名 上岡敦
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
授業の形態 授業にて配布した資料等は、著作権上問題のあるものを除いてGoogle Classroomを用いて配信する。欠席の場合も含め理由の如何に関わらず、遠隔対応・課題などは課さない。欠席した場合は、配信する資料等を用いて十分に自己学修に努めること。クラスコードはCanvasLMSにて配信する。
授業概要 本講義では、戦後から現代までの日本政治の変容を軸に、現代日本の政治について政治学の分析枠組みを用いて理解することを試みる。現代日本の政治は学問的な研究対象となるだけではなく、我々一人ひとりが有権者として参加し、形作っていく対象でもある。18歳選挙権が導入されるとともに多様な課題を抱える現代日本の社会において、社会の担い手である我々は課題解決のために何らかの判断を迫られることとなる。判断に際しては、単なる感情論に基づくのではなく、お互いの立場の違いを認め、何が共通の理解となりえるのかを考え、論理的な判断を行うことができるような力が必要になる。本講義は、日々変化の激しい時代に責任ある有権者として、一定の根拠に基づく論理的な判断を行うことができるよう、受講者が我が国の政治を視る眼を養うこと目的として進めていく。
授業のねらい・到達目標 ・政治学の枠組みを用いて、日本政治を論理的に分析することができるようになる。(A-2-3)
・現実の政治現象を論理的に考え、自らの言葉で説明できるようになる。(A-3-3)
・日本政治について、客観的、論理的根拠に基づいて自らの意見を説明できるようになる。(A-4-3)
・社会科学的方法論について理解し、社会科学的思考を様々な問題に応用できる。(A-3-4)
この科目は文理学部のDP 及びCP の2、3、4に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 講義形式で行うが、適宜パワーポイントやレジュメをなどの補助資料を使用する。受講者は授業で示される参考文献の他、各種資料を利用して学修してほしい。毎回リアクションペーパーを配布するので、質問や要望などがあれば提出をすること。質問や要望があった場合は、次回授業時に必要に応じて全体へ回答することで、問題意識等を共有する。
授業で取り上げるテーマ、事例は受講者の関心に合わせて柔軟に対応する予定であるため、社会的状況、受講者の理解度に応じて授業計画を変更する場合がある。本講義で取り扱うこととなる日本政治は、我々の最も身近な対象でもあり、日々の生活を送る中で、各種メディア等により取り上げられることも多いため、新聞などに目を通して多様な考えに触れるとともに、政治、社会問題に対して関⼼や問題意識を持った上で授業に臨むことが望ましい。
学問分野上、受講者の専攻と無関係なものではないが、直接的な繋がりは感じにくいかもしれない。したがって、本科目の学修は受講者にとって負担の大きいものになることが予測されるため、毎回の講義に際しては、十分な予習・復習のうえ、真剣に取り組むことが強く求められる。予習にあたっては、何がわからないのかについて考える、つまり疑問点を明確化することに努め、復習の際には、授業内容をふり返るだけではなく、自分であればどのような事例を用いて説明を行うかを考えてみると、より理解が深まると思われる。
履修条件 講義は、受講者が政治学の基本的な理論や枠組みを理解していることを前提として進めるため、政治学を履修済みまたは並行履修していることが望ましい。未履修者は、政治学の基礎的概念や理論について、何らかの手段を用いて学習をしておくことが望まれるものの、政治学未履修者の受講を妨げるものではない。他の受講者に迷惑となるような⾏為全般を禁⽌とし、スマートフォン等による、スライドの撮影や、⾳声の録⾳も禁⽌する。禁止行為が発覚した場合には、期末試験の受験資格を剥奪する。なお、本講義は単なる現代日本政治の評論を行うものではない。結果として受講者が政治を評論する能力を獲得することは不可能ではないが、各種メディアで展開される政治評論の類を期待して履修する場合は、注意されたい。授業資料の配布等はGoogle Classroomを用いる予定であるため、NU-AppsGのアカウント(@g.nihon-u.ac.jp)が必須となる。未取得の場合は、授業開始までに必ず取得しておくこと。Google ClassroomのクラスコードはCanvasLMSにて配信するため、履修予定者は必ず初回授業時までにCanvasLMSを確認し、Google Classroomに登録をしておくこと。
*本科目はCHIPSによる抽選を行うため、履修予定者は必ず手続きを行うこと。
授業計画
1 現代日本政治を見る視点:
講義の対象となる現代日本の政治について、どのような事象が対象となるのかを確認しながら、講義全体の流れを説明する。(A-4-1)
【事前学習】シラバス等を確認し、自身の関心のある日本政治に関連する問題について整理をしておくこと。 (2時間)
【事後学習】政治的な問題として考えられる現象は、授業内で取り上げた事象以外にどのようなものがあるのか、授業で提示された参考文献等に目を通し、自分なりの基準で整理してみる。また自身の専攻分野と関連のある問題とは何か考えてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 議院内閣制の展開:
憲法をはじめとした日本政治を構成する様々な要素について全体を概観する。(A-4-1)
【事前学習】日本国憲法の統治機構に関する章や、憲法に基づく政治制度にはどのようなものがあるのか整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 内閣と首相:
行政府の執政長官である総理大臣と内閣のあり方について、制度的帰結を踏まえた上で、実態を検討する。(A-3-2)
【事前学習】議院内閣制の特徴とは何か、各国の議院内閣制について整理してみる。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 政治と行政:
日本政治を支える官僚制が、どのような構造のもとで活動してきたのか、現在までの変容について検討する。(A-3-2)
【事前学習】インターネット等で日本の行政機構図等を確認するとともに、官僚に対するイメージについて整理してみる。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に⽬を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 国会と与野党関係:
国会が果たす機能とは何か、制度的構造とともに国会運営の特徴について検討する。(A-3-2)
【事前学習】国会中継など実際の国会の活動を見て、日本の議会である国会に対するイメージ、国会の役割について考えてみること。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 政党システムと選挙制度:
政党間の関係を捉える政党システム論を踏まえて、日本の選挙制度と政党システムとの関係や政党システムを支えるその他の要素について検討する。(A-2-3)
【事前学習】新聞等で日本や各国にはどのような政党があるのか、政党間の関係性や日本の選挙制度にについて整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 政党組織と選挙運動:
政党とはいかなる存在なのかを考える政党組織論を踏まえ、日本の政党の特徴と日本の選挙の特徴について考える。(A-2-3)
【事前学習】政党という組織がどのように誕生し、発展してきたのかを確認しておくほか、日本の選挙に関連する問題について新聞等を活用してまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 社会集団の政治的役割:
日本社会における集団が果たす役割と、日本政治における集団政治の特徴について検討する。(A-2-3)
【事前学習】政府や政党以外に、日本社会において活動する集団にはどのようなものがあるか考えてみること。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 政治報道とマスメディアの変貌:
メデイアが政治に関して、どのような影響力を持っているのか検討する。(A-4-1)
【事前学習】世論が果たす役割や世論の形成にメデイアが与える影響について考えてみること。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 政党政治からの独立:
司法制度をはじめ、政治的中立が求められるなど民主政がなじまないような領域の問題について検討する。(A-4-1)
【事前学習】専門性が求められる問題にはどのようなものがあるか考えてみること。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 地方自治:
日本の地方政治の実態を、二元代表制という観点から検討する。 (A-4-1)
【事前学習】日本の地方自治制度について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 中央・地方関係の展開:
中央政府と地方政府の関係を規定する中央・地方関係に注目しながら、日本政治の基礎的条件について検討する。(A-3-2)
【事前学習】地方分権改革や道州制をめぐる論点にはどのようなものがあるか調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 外交・安全保障と政治指導:
日本政治において対外政策が持つ意味を、外交や安全保障問題を例に検討する。(A-4-1)
【事前学習】新聞等に目を通し、日本が抱える外交課題や安全保障問題についてまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 経済・社会の変化と政治:
戦後の日本経済史を振り返りながら、変容する社会とその課題について政治との関係から検討する。(A-2-1)
【事前学習】戦後から現代までの日本の経済や社会の変化について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で提⽰された参考⽂献等に目を通し、授業で扱った内容を⾃分なりに整理、展開しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 市民と政治:
政治の主体となる有権者と政治との関わりやその前提条件から、現代日本政治を考える意味について検討する。(A-3-4)
【事前学習】新聞等に目を通し、日本政治に関して自身が興味、関心を持つ問題について整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】これまでの授業内容を振り返り、各回のノートを整理するとともに、疑問点等を明確化し、試験に備えること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 講義内容から鑑み、特定の書物を用いることは適当ではないため、各受講者には毎回示される参考文献リストを基に、自己学修に努めることが期待される。
参考書 石川真澄・山口二郎  『戦後政治史』 岩波書店 2021年 第4版
渡邉容一郎編 『政治学』 弘文堂 2023年 第3版
谷口将紀・古城佳子編 『政治学』 2022年 第2版
上神貴佳・三浦まり編 『日本政治の第一歩 新板』 有斐閣 2023年
各回のテーマに関する参考文献は授業内で随時提示をするが、本講義の内容上、政治学の基礎的理解や戦後の日本政治に関する一定の理解(歴代の首相の名前と顔が一致する等)があることが望ましい。したがって、履修予定者は政治学や日本現代史について何かしらの方法で学習をしておくと、講義内容をより理解しやすいと思われる。さしあたり戦後政治史を概観できる新書等を参考書として提示しておくが、必ず購入する必要はない。石川・山口は戦後政治史を概観できる定評のある新書であり、渡邉編、谷口・古城編は政治学未履修が政治学の基礎的な内容の自己学修に、上神・三浦編は政治学の基礎、日本政治の基礎を踏まえた上で発展的学習をする際に有⽤と思われる。
⾼校時代に政治経済を履修した事がある場合は、授業開始までに使⽤していた教科書、資料集などの参考書等も有効に活用することが可能と思われる。授業開始までに中学、高校時代の教科書などを一読し、日本政治に関する知識を整理し、⾃⾝の興味、関⼼のある分野、問題意識を明確にしておくと、講義内容により関⼼を持てるかと思われる。
成績評価の方法及び基準 試験(100%)
原則として試験期間で実施する試験で評価を⾏う。試験では授業内容が踏まえられているかという点を中心に自分なりの学習成果が見られるかという点も加味しながら、授業内容を正しく理解できているかどうかを評価する。ただし、必要とみなされる場合には、毎回のコメント内容など、授業への参加意欲を考慮する。なお、リアクションペーパーなどの提出は単位を保証するものではない。
オフィスアワー 授業後の教室等のほか、Google Classroomのコメント機能等を利用して対応する。

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