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美学基礎講読1

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令和2年度以降入学者 美学基礎講読1
教員名 櫻井一成
単位数    1 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業概要 美学・芸術学の入門的文献を読む

本授業は美学や芸術学の文献のなかでも比較的読解が容易な文献を取り上げ、講読(解説や補足を加えながら文章を読み進めていくこと)を通じて美学という学問に関心をもってもらうこと、また美学に固有の問題や思考法を理解してもらうことを目標としています。現代において美学が考察の対象とする領域は拡張し続けており、もはやそれは「芸術」だけを扱っているわけではありません。近年では、日常生活のなかで働く感性の働きを主題化した「日常の美学」が注目を集めています。2025年度の前期は、青田麻未『「ふつうの暮らし」を美学する——家から考える「日常の美学」入門』を取り上げ、美的判断や美的経験に関する思索を深めることを目指します。古典的な美学を理解する入口にも、日常生活を新たな視点から捉え直す入口にもなるでしょう。
授業のねらい・到達目標 この授業では以下のことを目標にしています。
・テキストを正確かつ批判的に読む技術を習得する。
・美学とはいかなる学問で、どのような問題を扱っているのかを理解する。
・美や芸術に関する自分たちの理解が、歴史的かつ地理的な制約を受けた特殊なものであることを自覚する。
・哲学的問題をみずからの頭で考えることや、意見の異なる他人と議論することの楽しさを知り、そのための技術を獲得する。
・日常生活が美的判断や美的経験と切り離せないことを理解し、美学の知見を日常をよりよく生きるために役立てることができる。


この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマシーポリシー DP4, 5, 6, 7, 8及びカリキュラムポリシー CP 4, 5, 6, 7, 8に対応しています。
・文献や資料の読解・解釈を通じて、哲学の代表的な問題を理解し、説明することができる。(A-4-1)
・人間の生き方や現代社会のあり方を問い直す意欲を持つことができる。(A-5-1)
・他人の意見が自分の意見とは異なっていても、それを尊重しながら聞く姿勢を示 すことができる。(A-6-1)
・学修活動において、より良い成果を上げるために、お互いを尊重しながら協働することができる。(A-7-1)
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる。(A-8-1)
授業の形式 講義、演習
授業の方法 テキストの講読を中心に授業を進めます。
必要に応じて、教員が関連情報・補足情報を講義形式で提供します。
参加者に「プレゼンテーション」や「コメント」や「音読」を求める場合があります。
リアクションペーパーを書いてもらい、有意義とみなしたものを次回の授業で紹介します。
できるだけ視聴覚資料を用いる予定です。
授業方法や授業計画は参加者の数や関心に応じて変更されることがあります。
授業計画
1 ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する)
【事前学習】シラバスを読み、授業全体の流れを把握する。 (1時間)
【事後学習】配布されたプリントを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 美学と芸術学について
【事前学習】自分の身の回りにあるかわいいものや人をリストアップし、共通する特徴や傾向について考える。(A-5-1) (2時間)
【事後学習】配布されたプリントを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 まえがき/序章「日常美学とはなにか」第一節「なぜ日常美学は「新しい」のか」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 序章「日常美学とは何か」第二節「日常美学とはなにか」/第三節「家からの日常美学入門」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 第一章「機能美」第一節「使えるモノの美」/第二節「機能美をめぐる現代美学での議論」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 第一章「機能美」第三節「家のなかでの椅子の機能と感性」/第二章「美的性質」第一節「美的性質とはなにか」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 第二章「美的性質」第二節「掃除・片付けに関わる美的性質」/第三節「日常生活のなかでの美的性質の位置」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 第三章「芸術と日常の境界」第一節「現代美学と料理」/第二節「料理はなぜ芸術ではなかったのか①」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 第三章「芸術と日常の境界」第三節「料理はなぜ芸術ではなかったのか②」/第四節「家での料理も芸術になるのか」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 第四章「親しみと新奇さ」第一節「家や地元に対する感情」/第二節「ハアパラによる「親しみ」と「新奇さ」の区別」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 第四章「親しみと新奇さ」第三節「日常のなかの新奇さ」/第五章「ルーティーンの美学」第一節「vlogの不思議から考えるルーティーンの美学」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 第五章「ルーティーンの美学」第二節「日常への憧れ」/第三節「日常への焦燥感」の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 第五章「ルーティーンの美学」第四節「ルーティーンを持つことの難しさ」/終章の講読
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 総括/日常の美学の文献の紹介
【事前学習】テキストの指定箇所を読み、論旨と疑問点をまとめる。(A-4-1) (2時間)
【事後学習】テキストを再読する(A-8-1)。青田とは異なる「日常の美学」論を読んでみる(A-8-1)。授業で言及された著作や作品があれば目を通しておく(A-5-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 授業内テストとその解説
【事前学習】テキスト全体を再読する(A-8-1)。 (4時間)
【事後学習】青田とは異なる「日常の美学」論を読んでみる(A-8-1)。授業で提示された問題について考える(A-5-1、A-6-1)。 (4時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 青田麻未 『「ふつうの暮らし」を美学する——家から考える「日常美学」入門』 光文社新書 2024年
参考書 授業内でそのつど参考文献を紹介します。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:授業内テスト(1回から2回)(60%)、授業参画度:リアクション・ペーパー、発表の担当(40%)
単に情報や知識を頭に詰め込むのではなく、何が問題となっているのかを理解し、予想される反論や批判を想定しながら、自分自身の頭で問題を考えてみることが大事です。各回の授業でいくつかの問いを投げかけますから、それについて考えてみてください。
〈問題を共有し、共に考える〉という観点から授業参画度を評価します。
リアクションペーパーと授業内テストの結果にもとづいて成績を評価します。
リアクションペーパーは基本的に任意ですが、全員提出を求める場合があります(授業内で告知します)。
オフィスアワー メールでアポイントメントをとってください。

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