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令和6年度以前入学者 | 美学演習4 | ||||
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教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業概要 | 2025年度は「<歴史の終焉>と藝術」をテーマとしてかかげ、前学期(「美学演習3」)と後学期(「美学演習4」)でそれぞれ別の著作を読む。「美学演習4」では、野家啓一著『物語の哲学』(岩波現代文庫)を講読し、「物語」、「歴史」、「時間」について考える授業を行う。 |
授業のねらい・到達目標 | 『物語の哲学』は、現代日本を代表する哲学書のひとつと呼んで差支えない著作である。もとより著者の主体的な思索が本書を構成してはいるが、そうした思索は、物語論や歴史哲学の代表的古典との対話を通じて展開されている。その意味で本書は、創造的産物としての「物語」や「歴史」、あるいは「虚構」一般、さらにその前提となる「時間」といった問題群を考える上できわめて優良なガイドにもなっていると言ってよい(文章も明快である)。受講者は、本書で扱われている問題を共有しながら、上記の問題をめぐる知識や考え方を楽しく吸収することができると思われる。 ・思想・芸術・宗教の観点から,世界の現状をその歴史的背景とともに理解することができる。(A-2-2) ・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる。(A-4-3) ・さまざまな人とコミュニケーションをとり,傾聴力と発表力に基づいて,合理的な議論を推進することができる。(A-6-3) この科目は文理学部(学士(文学))のDP及びCPの2,4,6に対応しています。 |
授業の形式 | 演習 |
授業の方法 | テキストに基づき、人間と物語と歴史の相互関係をめぐって、演習形式の授業を行う。テーマに関連した種々の文献を参考にしつつ、討論を通じて指導を行う。後学期の最後には、下記のとおり、テキストから任意のテーマを選んでいただき、それにもとづいたレポートを作成・提出していただく。 なお、授業計画は講義の進捗状況に応じて、変更されることがある。 本授業は、演習の性格上、対面授業とし、課題学習等の遠隔措置は取らない。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:J. F. リオタールと柳田國男における「歴史」の問題、『物語の哲学』「序:<歴史の終焉>と物語の復権」の講読(A-2-2)
【事前学習】リオタールの「ポストモダン」概念について調べて、ノートしてくる。 (1時間) 【事後学習】「ポストモダンと歴史」というタイトルの小レポートを作成する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
『物語の哲学』第一章「<物語る>ということ」第一節から第三節までの講読(A-2-2、A-4-3)
【事前学習】柳田國男の『口承文芸史考』の主張を調べ、ノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの16~61頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
『物語の哲学』第一章「<物語る>ということ」第四節と第五節の講読(A-2-2、A-4-3)
【事前学習】柳田國男の『昔話と文学』の主張を調べ、ノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの61~96頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
『物語の哲学』第二章「物語と歴史のあいだ」第一節と第二節の講読(A-2-2、A-4-3)
【事前学習】第二章の第一節と第二節をまえもって読む。ウィトゲンシュタインの言語観とオースティンの言語行為論の概要を調べる。 (2時間) 【事後学習】テキストの97~112頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
『物語の哲学』第二章「物語と歴史のあいだ」第三節と第四節の講読(A-2-2、A-4-3)
【事前学習】第二章の第三節と第四節をまえもって読む。大森荘蔵の想起過去説について調べ、要点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの113~124頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
『物語の哲学』第三章「物語としての歴史」第一節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第三章の第一節をまえもって読む。E. マッハの認識論について調べ、ノートをとってくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの125~137頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
『物語の哲学』第三章「物語としての歴史」第二節と第三節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第三章の第二節と第三節をまえもって読む。ヘーゲルを頂点とする伝統的な歴史哲学の主張について調べ、ノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの138~188頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
『物語の哲学』第四章「物語の意味論のために」第一節と第二節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第四章の第一節と第二節をまえもって読む。サールの「虚構の言述」について調べ、その要点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの190~207頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
『物語の哲学』第四章「物語の意味論のために」第三節と第四節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第四章の第三節と第四節をまえもって読む。クリプキの「指示の因果説」について調べ、その要点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの208~230頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
『物語の哲学』第五章「物語と科学のあいだ」第一節と第二節の講読
【事前学習】第五章の第一節と第二節をまえもって読む。クワインの「経験主義の二つのドグマ」について調べ、その要点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの231~247頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
『物語の哲学』第五章「物語と科学のあいだ」第三節と第四節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第五章の第三節と第四節をまえもって読む。テキスト中の疑問点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの247~260頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
『物語の哲学』第六章「時は流れない、それは積み重なる」第一節と第二節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第六章の第一節と第二節をまえもって読む。フッサールの「過去把持」論について調べ、その要点をノートしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの262~279頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
『物語の哲学』第六章「時は流れない、それは積み重なる」第三節から第五節の講読(A-4-3、A-6-3)
【事前学習】第六章の第三節から第五節までをまえもって読む。大森荘蔵の『流れとよどみ』を読み、その時間観をメモしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの279~298頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
『物語の哲学』第七章「物語り行為による世界制作」第一節と第二節の講読(A-2-2)
【事前学習】第七章の第一節と第二節をまえもって読む。テキスト中の疑問点を調べ、メモしてくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの299~317頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
『物語の哲学』第七章「物語り行為による世界制作」第三節と第四節の講読(A-2-2、A-6-3)
【事前学習】第七章の第三節と第四節をまえもって読む。ダントーとアーレントの「物語」観について調べ、ノートをとってくる。 (2時間) 【事後学習】テキストの317~332頁までの内容を800字でまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 野家啓一 『物語の哲学 (岩波現代文庫)』 岩波書店 |
参考書 | 授業中に随時紹介します。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:学期末に、テキスト中の任意のテーマを選び、それにもとづくレポートを作成いただきます。(50%)、授業参画度:議論への参加や質問の提示によって評価します。(50%) |
オフィスアワー | 授業後に設けます。 |