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宗教学演習3

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令和6年度以前入学者 宗教学演習3
教員名 合田秀行
単位数    1 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業
授業概要 日本仏教を代表する空海の生涯と思想について取り上げます。特に空海の最初期の作品『三教指帰』の講読を通して、原典に触れながら、儒教・道教・仏教について学びます。この作品は、当時の空海の解釈に基づく、戯曲的な構成となっている比較宗教論の先駆敵的な著作です。この『三教指帰』とほぼ同じ内容の空海による真筆『聾瞽指帰』が国宝として現存しており、三筆としてる書の卓越性もうかがわれます。
授業のねらい・到達目標 ・空海の生涯と思想について学び、青年期に執筆した『三教指帰』を通して、儒教・道教・仏教の基礎的知識を習得できる。
・空海はその後において、真言密教に傾倒していくが、十住心思想の前提となる儒教・道教の位置付けを読み取ることができる。
・演習用テキストの音読・輪読を通して、特に仏教用語などで頻繁に見られる特殊な読み方や意味を身につける。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,2,4及びカリキュラムポリシーCP1,2,4に対応しています。
・真・善・美・聖の探究から得られた知識と教養に基づい て、人間と社会の倫理的な課題を理解し、説明することができる(A-1-3)。
・思想・芸術・宗教の観点から、世界の現状をその歴史的背景とともに理解するこ とができる(A-2-3)。
・文献や資料の読解・解釈を通じて、あるいは、現代の思想的状況を注意深く考察することによって、哲学的問題を発見することができる(A-4-3)。
授業の形式 演習
授業の方法 原則的に対面で演習形式で行います。教科書としては、加藤純隆・加藤精一訳『空海「三教指帰」』を用いますが、適時、担当者が作成した補足資料を併用しつつ進めます。現代語訳を輪読してもらい、必要に応じて、原文も踏まえながら、解説していきます。随時、質問応答・ディスカッションの時間を設けます。
授業計画
1 ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業方法について説明する)
空海の生涯(1)前半生・入唐前(A-3,A-7) 
生涯に関する補足プリント配布・関連映像DVD「空海の風景」(前編)の鑑賞
【事前学習】シラバスを読んで進め方を理解し、演習の概要について確認しておくこと。 (1時間)
【事後学習】自分の研究分野を確認し、個人研究発表に向けて少しずつ準備を始めること。 (1時間)
2 空海の生涯(2)後半生・入唐後(A-3,A-7)補足プリント使用・関連映像DVD「空海の風景」(後編)の鑑賞
【事前学習】配布する補足資料の指定範囲を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】解説した資料の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
3 空海の著作について(A-3,A-7)その他の主要な著作と名言を紹介
【事前学習】配布する補足資料の指定範囲を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】解説した資料の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
4 『三教指帰』の講読(1)序文 執筆の動機について
第一章 亀毛先生の主張1 儒教の亀毛先生の紹介(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.12-20)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
5 『三教指帰』の講読(2)第一章 亀毛先生の主張4 儒教の人生観(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.20-35)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
6 『三教指帰』の講読(3)第一章 亀毛先生の主張5 亀毛先生の結論(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.35-40)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
7 『三教指帰』の講読(4)第二章 虚亡隠士の主張7・8 道教の虚亡隠士の登場(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.41-48)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
8 『三教指帰』の講読(5)第二章 虚亡隠士の主張9・10 道教の人生観、仙人の道、結語(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.49-54)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
【授業形態】同時双方向型授業
9 『三教指帰』の講読(6)第三章 仮名乞児の主張11・12a 若き僧・仮名乞児の登場(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.55-62)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
10 『三教指帰』の講読(7)第三章 仮名乞児の主張12b・13a 忠孝の道(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.62-73)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
11 『三教指帰』の講読(8)第三章 仮名乞児の主張13b~15 仏教の真理観、開祖釈尊について(A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.73-78)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
12 『三教指帰』の講読(9)第三章 仮名乞児の主張16 「無常の賦」上 (A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.78-84)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
13 『三教指帰』の講読(10)第三章 仮名乞児の主張17・18 「無常の賦」下、「生死海の賦」上 (A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.85-94)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
14 『三教指帰』の講読(11)第三章 仮名乞児の主張19・20 「生死海の賦」上・「十韻の詩」 (A-3,A-7)
【事前学習】教科書の指定範囲(pp.94-104)を読み、疑問点などを確認すること。 (1時間)
【事後学習】講読した教科書の内容を踏まえて、ポイントを整理すること。 (1時間)
15 総括・質疑応答、レポートの提出
【事前学習】学期末レポートを作成する。 (1時間)
【事後学習】総括・質疑応答を踏まえて、『三教指帰』の内容をまとめる。 (1時間)
その他
教科書 加藤純隆・加藤精一(訳) 『空海「三教指帰」 (角川ソフィア文庫・ビギナーズ日本の思想)』 角川学芸出版
参考書 授業内で適時指示します。
成績評価の方法及び基準 授業参画度:輪読・質疑などへの取り組み(40%)、学期末レポート(60%)
授業参画度は、テキスト講読の際の輪読・質疑・ディスカッションへの取り組みを踏まえて「コミュニケーション力(A-6)やリーダーシップ・協働力(A-7)」を評価します。学期末に提出してもらう、2000字以上のレポートの作成を通して、「聖の探究から得られた知識と教養(A-1-1)」の修得状況を確認します。
オフィスアワー 水曜日5時限のゼミ終了後、2号館12階の研究室で行います。

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