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美学特殊講義1

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令和6年度以前入学者 美学特殊講義1
教員名 高橋陽一郎
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 授業は、全15回すべてを対面で実施し、遠隔は行わない。
授業概要 「大聖堂の思想」が今年度本授業のテーマである。今日「大聖堂」と訳される教会建築は「司教座聖堂」のことであり、本来(大きいという)規模とは関係がない(しかし大司教や司教は強大な権力をもったため結果的に大きな建築となった)。とはいえ、その大建築は総合藝術であり、中世のあらゆる知性と感性が動員された。「ひとつの寺院は一巻の書物よりも多く思考すべきものを提供する。」(アラン『神々』)本講義では、そうした大聖堂建築の様式とそこに込められた思想、およびそれらが後世に与えた藝術的影響の数々について、研究と実例を示しながら講ずる。
前学期は、大聖堂に込められた同時代の思想と建築の特徴を講ずることが中心となる。
授業のねらい・到達目標 (1)建築を中心とした過去の文化遺産のなかに人類の思想的メッセージを読み取り、説明することができる。
(2)建築作品およびそれに関連する資料を読解することを通じて、思想・藝術・思想の観点からその歴史的価値、思想的影響を理解し、説明することができる。
・西欧の藝術の様式と思想を理解し、それがいかに後世の文化を涵養しているか、説明することができる。(A-1-2)
・中世の資料および現代研究者の解釈書を読解し、そこから同時代と現代の藝術上の問題意識を自分なりに発見し、説明することができる。(A-4-2)
この科目は文理学部の(学士(文学))のDP及びCPの1,4に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 毎回配布する資料を、パワーポイントを用いながら解説する。パワーポイント画面には建築作品の実例や構造なども映し出し、受講者に見てもらながら授業を進める。
授業計画
1 「大聖堂」について―その語義、建立された時代、その総合性―(A-1-2)
【事前学習】各自で任意の歴史書を紐解き、中世ヨーロッパについて概観し、要点を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ヨーロッパにおける教会堂の意味について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 王朝様式―カロリング朝とオットー朝の教会建築―(A-1-2)
【事前学習】第1回講義資料を通読し、教会建築の構造とキリスト教教義との関係について、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、建築の王朝様式について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 ロマネスク様式の聖堂(1)―修道院の思想と建築:ヨーロッパ最初の統一様式―(A-1-2)
【事前学習】第2回講義資料を通読し、王朝様式の変化について、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、建築におけるロマネスク様式について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 ロマネスク様式の聖堂(2)―ロマネスク様式からゴシック様式への移行:社会的・工学的理由―(A-1-2)
【事前学習】第3回講義資料を通読し、ロマネスク様式の構造とキリスト教教義との関係について、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、各地域の様式的違いについて600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 ゴシック様式の大聖堂(1)―「大聖堂」の思想:シュジェと「光の美学」―(A-4-2)
【事前学習】第4回講義資料を通読し、様式上の移行の原因について、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、シュジェの思想について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 ゴシック様式の大聖堂(2)―「大聖堂」の思想:建築の特徴―(A-1-2)
【事前学習】第5回講義資料を通読し、建築に反映された思想について疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ゴシック様式の特徴について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 ゴシック様式の大聖堂(3)―フランスとドイツの実例を写真でみる―(A-1-2)
【事前学習】第6回講義資料を通読し、ゴシック建築について、工学上または思想上の観点から疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、中世建築におけるフランスとドイツの違いについて600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 ゴシック様式の大聖堂(4)―パノフスキーの「ゴシック建築とスコラ学」に基づいて(1)―(A-4-2)
【事前学習】第7回講義資料を通読し、地域ごとに異なる聖堂の特徴をメモする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ゴシック様式に通底するスコラ学の教義について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 ゴシック様式の大聖堂(5)―パノフスキーの「ゴシック建築とスコラ学」に基づいて(2)―(A-4-2)
【事前学習】第8回講義資料を通読し、パノフスキーのイコノロジーの問題点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、12~13世紀フランスのゴシック大聖堂について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 ゴシック様式の大聖堂(6)―ハンス・ヤンツェンの空間解釈(1)―(A-4-2)
【事前学習】第9回講義資料を通読し、大聖堂における反スコラ学的な要素について考え、メモを作ってくる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ゴシック時代以降の建築様式との比較論を600字のレポートにまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 ゴシック様式の大聖堂(7)―ハンス・ヤンツェンの空間解釈(2)―(A-4-2)
【事前学習】第10回講義資料を通読し、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ヤンツェンの「ディアファーン」概念について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 ゴシック様式の大聖堂(8)―オットー・ジムソンの空間解釈(1)―(A-4-2)
【事前学習】第11回講義資料を通読し、教会建築の内部構造と外部構造との調和と相克についてノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ゴシック建築における「象徴」の問題と題する小レポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 ゴシック様式の大聖堂(9)―オットー・ジムソンの空間解釈(2)―(A-4-2)
【事前学習】第12回講義資料を通読し、ジムソンの解説についての疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、ヤンツェンとジムソンの空間解釈を比較考察する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 ゴシック様式の大聖堂(10)―西欧建築における「石」とは何か:J. ラスキンのゴシック様式論を元に―(A-4-2)
【事前学習】第13回講義資料を通読し、教会建築の構造とキリスト教教義との関係について、疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、中世の「秩序」概念について600字のレポートを作成する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 まとめ―大聖堂とは何か:郷愁と待望の府としての―(A-1-2、A-4-2)
【事前学習】これまでの資料を復習し、フランスを中心とした教会建築とキリスト教教義との関係について、あらためて疑問点をノートする。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントと板書を元に、「大聖堂の思想」と題するレポートの執筆にとりかかる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 毎回資料を配布する。教科書は使用しない。
参考書 授業中にその都度紹介します。
成績評価の方法及び基準 レポート:学期末に授業内容を反映させたレポートの執筆を課します。(70%)、授業参画度:時折課すリアクションペーパーの内容や提出状況で評価します。(30%)
オフィスアワー 授業後に設けます。

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