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令和2年度以降入学者 | 漢文学1 | ||||
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教員名 | 片倉健博 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 対面授業(一部遠隔授業) |
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授業概要 | 漢文は中学・高校の国語科で主に訓点の施し方、書き下し文、現代語訳の作成などを通して学ばれている。漢字のみで綴られている一般に漢文と称される原文は、古典中国語文法に則って書かれており、それは日本から見れば純然たる外国語である。 訓点や書き下し文はかつての日本の先人が古典中国語文法を踏まえたうえで、日本語として内容を理解しようと試みた一種の翻訳の所為である。しかしながら書き下し文が現代日本語と乖離しており、必ずしも内容理解の助けになりえていないことは、中学・高校の漢文の授業において現代語訳を作成した経験からも多くの受講生が身をもって実感していることであろう。 つまり中学・高校の「漢文」の授業は、古典中国語を読解するという「外国語学習」と、日本語の古文を現代語に訳して理解しようとする国語科の「古文」の2つの特性を内包しており、「漢文」の授業はその2つの作業を無意識のうちにマルチタスク的に同時的に行っている状態である。 本授業では漢文(古典中国語)は外国語であるとの立場を明確にしたうえで、古典中国語文法に主に焦点を当てて、漢和辞典の利用法、訓点の施し方、書き下し文および現代語訳作成の基本的技術を学ぶ。 |
授業のねらい・到達目標 | 中学・高校の漢文の授業を行う上で必要な基本的な漢文(古典中国語)の文法を理解できるようになる。 訓点のついていない短く、平易な原文に適切な訓点を施し、書き下し文と現代語訳を作成できるようになる。 古典中国語文法と現代語を手掛かりに、書き下し文から原漢文を復元できるようになる。 日本文学・日本語学研究を学びながら,それらと深く関わる世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,自己の世界観をもって説明できる。(A-2-2) この科目は、文理学部国文学科(学士(文学))のDPおよびCPの2に対応しています。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 1.訓読、書き下しに必要な知識および基本的な古典中国語文法を講義形式で解説。 2.講義内容を踏まえ、平易な例文の練習問題をドリル式に繰り返し解答。 3.文法理解のために書き下し文を原漢文に戻す復文練習。 教科書以外に課題プリントを配布する際はCanvas LMSを通して行う。 Canvas LMS布の課題プリントは必ず事前に印刷して教室に持参すること。 教室内での配布は初回の授業以外では行わない。 |
履修条件 | 指定の漢和辞典を必ず毎回持参すること。辞書については初回授業で説明する。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンスと基礎知識の確認: 授業の狙いを確認し、授業方法、テキスト、参考書、辞書や辞書の使い方について説明する。 受講者の漢文に関するイメージや意識、基礎知識の確認。 【事前学習】高校までに学んだ漢文作品を振り返る。(A-2-2) (2時間) 【事後学習】授業内容をもとに漢文に対する自身の印象をまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
中国の文字(1): 形・音・義、字体と字形 【事前学習】正字・俗字・異体字の概念を確認し、課題プリントを読む。 (2時間) 【事後学習】漢字の形・音・義および字体と字形を確認し、課題プリントを完成させる。(A-2-2) (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
中国の文字(2): 六書、反切、諱・字、避諱・欠画 【事前学習】課題プリントのキーワードの意味を調べる。 (2時間) 【事後学習】キーワードの意味を説明できるように整理する。 (A-2-2) (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
漢語の構造: 主述構造・動目構造・修飾構造・並列構造(動補・連動) 【事前学習】課題プリントの漢語構造の説明を読んで理解する。(A-2-2) (2時間) 【事後学習】課題プリントの漢語由来の日本語の単語の構造を分析する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
訓読の基礎1: 教科書第1講「漢文とは何か?」から第5講「漢字の発音3」 【事前学習】教科書第1講から第5講を読んでおく。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
訓読の基礎2: 教科書第6講「漢字の発音4」から第10講「返り点2」および第9・10講のまとめ 【事前学習】教科書第6講から第10講を読んでおく。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
訓読の基礎3: 教科書第11講「送り仮名1」から第14講「書き下し文」 【事前学習】教科書第11講から第14講を読んでおく。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
訓読の基礎4: 教科書第15講「漢文の体裁」、第16講「漢和辞典と参考書」およびここまでの振り返り 【事前学習】教科書第15講・第16講を読み、これまでの学習内容を復習する。(A-2-2) (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
実践練習1: 教科書第17講「訓読の要領」から第19講「三字表現・四字成語」 【事前学習】教科書第17講を読んでおく。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
実践練習2: 教科書第20講「短文」から第22講「長文訓読」 【事前学習】教科書第17講を再度読み、訓読要領を復習する。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業、オンデマンド型授業 |
11 |
実践練習3: 教科書第23講「長文訓読演習(1)」、第24講「長文訓読演習(2)」 【事前学習】教科書第17講を再度読み、訓読の要領を復習する。(A-2-2) (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
実践練習4: 教科書第25講「長文訓読演習(3)」、第26講「復文の要領」 【事前学習】復文とは何か調べる。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習して、復文の基本原理をまとめる。(A-2-2) (3時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
実践練習5: 教科書第27講「復文練習(1)」から第30講「復文練習(4)」 【事前学習】教科書第26講「復文の要領」を再度読み、復文の要領を復習する。 (1時間) 【事後学習】練習問題を復習する。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
理解度の確認: これまでの学習内容の理解度の確認を行う。 【事前学習】これまで学んだ文法事項を総復習する。(A-2-2) (3時間) 【事後学習】授業内容を振り返り、理解不足と感じた個所を振り返る。 (1時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
まとめ: 理解度の確認を踏まえたうえで、フィードバックと補足説明を行う。 【事前学習】学習内容を見直し、不明箇所や質問事項がないか考えておく。 (2時間) 【事後学習】フィードバックおよび補足説明を踏まえて、学習内容をブラッシュアップする。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 古田島 洋介・ 湯城 吉信 『漢文訓読入門』 明治書院 2011年 |
参考書 | 佐藤進・濱口富士雄 『漢辞海』 三省堂 2016年 第4版 小川環樹ほか 『角川新字源改訂新版』 角川書店 2017年 西田太一郎著、齋藤希史・田口一郎校訂・解説 『漢文の語法 (角川ソフィア文庫)』 KADOKAWA 2023年 加藤徹 『白文攻略 漢文法ひとり学び』 白水社 2013年 加地伸行 『漢文法基礎 本当にわかる漢文入門 (講談社学術文庫)』 講談社 2010年 原安宏 『文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード』 Z会 2008年 中川諭 『漢文を基礎から学ぶ』 東方書店 2023年 『角川新字源』は前の版である『角川新字源改訂版』(角川書店、1994年)でもよい。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト:学期末理解度の確認(50%)、授業参画度:文法理解確認小テスト(50%) |
オフィスアワー | Canvas LMSを通して連絡すること。 |
備考 | 授業進度は受講者の状況により変更する場合がある。 |