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卒業論文研究ゼミ1

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令和7年度以降入学者 卒業論文研究ゼミ1
令和6年度以前入学者 卒業論文研究ゼミ1
教員名 髙橋洋平
単位数    1 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 英文学科
学期 前期 履修区分 必修
授業形態 対面授業
授業の形態 卒業論文研究ゼミ1(髙橋洋平・前・木2)
授業概要 生成文法に関する問題演習形式のテキストを用いながら,卒業論文執筆に必要な前提知識と情報収集,問題点の洗い出し,仮説形成,発表の一連のスキルを習得します。理論の発展・変遷を正確に理解することの重要性は認めますが,限られた学修時間と履修生の多種多様な関心を背景とした際,対象となる言語データを精査し,科学的な手法で「人間言語の文法システム」を解明するための議論や方法論について学ぶことに重点を置きます。

とはいえ,現在主流となっているミニマリストプログラムという理論枠組みについて一定の理解がなければ,実際に卒業論文を書くことは困難かと思われますので,適宜担当教員による解説と論点の整理を行う回を設ける予定です。

クリティカルな視点で対象を観察し,他者に対して説得的に自説を(必要であれば英語で)講じる手法を習得することは,今後のキャリアパスに関わらず,有益なものとなるでしょう。
授業のねらい・到達目標 ・統語論研究の一理論である生成文法の基本的な理念や目標,そして研究方法について学ぶ。(A-1-2)
・日英語で書かれた専門的な文章を正確に解釈することができる。(A-4-1)
・日英語以外の自然言語の事例に触れることで,より包括的な視点から「言語/文法」というシステムを観察することができる。(A-4-1)
・議論の要点や疑問点・問題点をノートにまとめることができる。(A-8-1)
・レジュメや発表スライドを使い,他者に分かりやすく説明し,質問の受け答えができる。(A-6-3)
・学修から得られた豊かな知識と教養, 及び, 自己の倫理観に基づいて, 英語学・英語圏文学の役割を説明することができる。(A-1-2)
・既存の知識にとらわれることなく, 言語現象や歴史的事象を論理的・批判的に説明することができる。(A-3-2)
・英語学・英語圏文学に潜む問題を発見し, 専門的知識に基づいて説明することができる。(A-4-2)
・様々な人々とコミュニケーションを取り, 専門的知識について議論することができる。(A-6-3)
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行い, 分析することができる。(A-8-2)
この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1 、DP3、DP4、DP5、DP6、DP7、DP8及び、カリキュラムポリシーCP1、CP3、CP4、CP5、CP6、CP7、CP8に対応しています。
授業の形式 ゼミ
授業の方法 原則,以下のサイクルで運営します。
①予習範囲の確認(グループワーク)または小テスト(一定範囲終了ごとに複数回実施)
②担当者による教科書内容とエクササイズ問題の発表(必ずレジュメ作成すること)
③質疑応答
④担当教員によるフィードバックと解説
⑤次回学習範囲の要点について説明
授業計画
1 オリエンテーション、発表の基本作法と担当者の割り当て(A-1, A-6)
【事前学習】シラバスを熟読すること。過年度に履修した英文法・英語学演習の振り返り,統語論研究のイメージ作りをする。(挑戦力A-5) (0.5時間)
【事後学習】発表範囲の確認を行い,具体的な学修スケジュールを構築する。(コミュニケーション力A-6、リーダーシップ・協働力A-7) (0.5時間)
2 第1章「文法とは?」(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP1からP10までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。(省察力A-8) (0.5時間)
3 第2章「統語構造とは」(1)句構造(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP11からP19までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,文構造の樹形図表記を練習する。(省察力A-8) (0.5時間)
4 第2章「統語構造とは」(2)句構造に適用する意味解釈規則(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP19からP26までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,統語テストをおさらいする。(省察力A-8) (0.5時間)
5 第2章「統語構造とは」(3)助動詞を持つ節と助動詞を持たない小節(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP26からP37までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,専門用語が増えてくるのできちんと整理しておく。(省察力A-8) (0.5時間)
6 第2章「統語構造とは」(4)発音されない代名詞PRO,構造的同音異義(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP37からP45までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,テキストPP45-46のまとめの箇所をよくおさらいする。(省察力A-8) (0.5時間)
7 第3章「変形規則とは」(1)深層構造と変形規則(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP47からP52までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,深層構造と表層構造の区別,そしてその区別の動機についてよくおさらいする。(省察力A-8) (0.5時間)
8 第3章「変形規則とは」(2)変形規則の説明力(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP52からP57までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,取り上げられた変形規則についてよくおさらいする。(省察力A-8) (0.5時間)
9 第3章「変形規則とは」(3)変形規則の順序付け(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP57からP64までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,取り上げられた変形規則とその適用順序についてよくおさらいする。(省察力A-8) (0.5時間)
10 第3章「変形規則とは」(4)受動変形規則と主語繰り上げ規則(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP65からP72までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,取り上げられた変形規則とそれが観察される構文・述部の具体例を整理する。(省察力A-8) (0.5時間)
11 第4章「変形規則とは」(5) 厳密循環条件(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP72からP83までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,ここで改めてこれまでの用語・概念を整理しておくこと。(省察力A-8) (0.5時間)
12 第4章「変形規則とは」(6)意味からの独立性(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP83からP88までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。また,ここで改めてこれまでの用語・概念を整理しておくこと。(省察力A-8) (0.5時間)
13 第5章「変形規則とは」(7)移動規則の境界性(A-1, A-3, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】テキストP88からP98までを精読し,疑問点を明確にしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,疑問点が解消されたか内省する。変形規則を妨げる境界を有する事例(統語島)を整理しておくこと。(省察力A-8) (0.5時間)
14 「現行の理論枠組みミニマリストプログラムについて」(1)理念と「併合」を中心とした構造構築について(A-1, A-4, A-8)
【事前学習】これまでの内容をおさらいし,授業で取り上げる現行理論と比較する準備をしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】授業内容を復習し,現行の理論枠組みの目標について理解を深める。(省察力A-8) (0.5時間)
15 「現行の理論枠組みミニマリストプログラムについて」(2)テキストで取り上げた問題が今の枠組みにどう継承されているか,前期の総括(A-1, A-4, A-6,A-8)
【事前学習】これまでの内容をおさらいし,授業で取り上げる現行理論と比較する準備をしておく。(論理的・批判的思考力A-3、問題発見力A-4) (0.5時間)
【事後学習】夏休み中に卒論で取り上げたいトピックを検討し,必読の文献を探しておくこと。(挑戦力A-5) (0.5時間)
その他
教科書 阿部潤 著 『問題を通じて学ぶ生成文法』 ひつじ書房 2008年
必ず購入し,初回から持参するようにしてください。
参考書 大津由紀雄,今西典子,池内正幸,水光雅則 共編 『言語研究入門 ー生成文法を学ぶ人のために』 研究社 2002年
Analysing English Sentence Structure: An Intermediate Course in Syntax:Andrew Radford 著, Cambridge UP, 2023
石井透,後藤亘,小町将之,宗像孝 共編 『極小主義における説明理論の挑戦 ー最適最小性が導くコピー演算ー』 開拓社 2024年
上記文献は購入する必要はありませんが,毎回英語の辞書は必ず持参するようにしてください。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:毎週行う小テスト(50%)、授業参画度:議論の進行に寄与する発言や質問(10%)、発表内容と姿勢(40%)
・欠席・遅刻・早退の数に応じて素点から減点します。
・出席回数が全講義回数の2/3回に満たない場合,成績評価の対象から外れます。
・遅刻および早退3回で1回分の欠席とし,30分以上の遅刻は欠席とします。
・公欠は大学が定める事由のみ認めることとします。
・授業には常識を持って臨みましょう。私語,飲食,居眠り,携帯端末での遊戯,内職,指名をされてから生成系AIで解答を調べるなどの行為は出席と見なしません。
オフィスアワー アポイントメントを取得の上,出校日に個人研究室にお越しください。(R7年度は火・水・木が高橋の出校日です。)
備考 ・2年生までの授業で感じたかもしれませんが,言語理論の勉強には連続性を伴います。欠席が複数回続くと,理論の全体像を見失い,理解が困難になることが予測されます。
・上記のように授業を計画していますが,皆さんの理解度に応じて復習の機会を設けるなど,できる限り柔軟に対応する予定です。
・なお,「こんなこと聞いて不勉強だと思われないだろうか?」という疑問についても,授業内で遠慮なく尋ねるようにしてください。「調べてないのでわからなかった」ことはそうではないですが,「一生懸命調べ考えたけど,どうしても理解できなかった」ことに関する質問は歓迎されるべきですし,他の履修生も疑問に感じている場合が多いです。
・誠実さと知的好奇心を持って授業参加してくださる方を歓迎します。

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