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令和3年度以降入学者 | 美学特殊講義2 | ||||
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教員名 | 樋笠勝士 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業(一部遠隔授業) |
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授業概要 | 美学の方法は、観念的な哲学的方法から、個別歴史研究による実証的方法まで多様です。しかも研究者は専門意識をもつので自己の研究に埋没します。例えば、音楽史の研究者は、美術史の研究者の発表を、専門外であることを理由にして無視するか傍観するのみかの態度をとり、質問したり問題提起したりすることを控えます。これでは音楽史の研究も進みません。自分の研究以外に興味関心を持ててこそ、そして自分の研究以外の研究の方法や価値観を学んでこそ、自らの音楽史研究は研ぎ澄まされていきます。自己の専門研究に閉じこもらずに広く美学研究としての研究方法を採ることで、多くの視点と広い視野と柔軟な研究姿勢をもつことができ、自己の将来の研究への展望も拡張できます。しかも哲学科における美学研究はとりわけ哲学的主題や議論の共有を各々の研究の基礎とします。どのような個別研究でも哲学的に共有できる論点はあります。それを見つけることで院生の研究志向や内容は遥かに発展します。本科目はそれを狙っています。 本科目では、前期と同様に、およそ「美学」に関わることであればなんでも哲学的議論の俎上に載せて議論し、様々な問題点や視点を共有する。こうして「美学」研究の全体像を俯瞰する場をつくり、研究の基本的な方法や、研究上の概念や主題を明らかにし、それを共有してゆき、大学院生がよりよい研究をめざすことができるように、研究を支援する授業を行いたいと思う。 本科目の想定される授業内容は以下である。 ①「コロキウム」:院生各自の専門に沿った研究発表(必須):前期と後期に学部卒論の梗概や一部の発展発表、或いは、修論に繋がる 個人研究発表を行う(毎回一人発表、ハンドアウトの作成、20分〜30分の口頭発表と質疑応答。なお、発表の時期その他については院生の都合を重んじます。相談の上、適宜調整していきます。後期は、原則的に前期と同じスタイルで授業を実施しますが、履修者との相談に応じて、適宜、変更修正もあります)。 ②リクエスト講義:院生が美学藝術学の分野で学んでおきたい分野や内容について、担当教員にリクエスト し、それを教員はわかりやすく講義し、質疑応答の時間もつくる。 ③教員による講義:②以外の講義で、内容的には、美の哲学、芸術哲学、感性論、個別芸術論、特殊作品論、 存在論や認識論や倫理学など哲学的諸思想、その他、美学藝術学を中心にした講義を適宜行う。 ④テキスト講読:美学及びその関連文献のゼミを行う。テキスト選択は参加者に有益なものとする。 ⑤院生各自の関心や感性に沿った芸術作品紹介:芸術の領域は作品の歴史をつくっており、現代芸術まで膨大 な量がある。その内容も、境界領域(ファッション、料理、ゲーム、その他、様々な趣味に即した、芸術or非 芸術の議論を生む領域)を含み、拡大する一方である。これらの領域及び領域外から、各自が「面白い」「趣 がある」「気に入った」と言える作品を紹介し、個人的な趣味をできるだけ分析し言語化する。 ⑥文献紹介:院生が自らの美学の研究上、重要と考える文献等について解説と共に紹介する。質疑の時間もつくる。 ⑦美学会例会及び全国大会参加及び批判 ⑧研究方法の研究:実証的方法の多様性、論述形式の多様性の紹介 |
授業のねらい・到達目標 | *学生は、美学の研究方法一般について説明できる。 *学生は、自己の研究方法について自覚し主体的に自己の指標を設定できる。 *学生は、研究上の異分野間コミュニケーション能力について自己反省・自己分析でき、自己の研究方法を改善することができる。 |
授業の形式 | 講義、演習、研究、講究、ゼミ |
授業の方法 | 院生のプレゼンテーションを中心にしつつ、適宜、教員がサポートする講義や講読等を行う。詳細は「授業の内容」の後半を参照のこと。また対面授業とオンライン授業(ズームミーティングを利用したリアルタイム授業)を組み合わせた方法をとる。下記シラバスでは「すべて「対面授業」となっているが、このうち、数回はオンラインズームミーティング授業になるので、教員からの説明に留意のこと。これらのお知らせは、すべてグーグルクラスルームにて行うので登録のこと(グーグルクラスルーム登録については、canvasLMSにてお知らせします)。 なお、授業での研究発表についてはもとより、各種レポートや各自の個人的な草稿、学会発表用草稿、学会誌投稿用原稿、その他、院生の研究の質の向上に関わる論文指導やフィードバックについては適宜実施するので積極的に申し出ること。 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクション
*授業の概要説明 *半期のスケジュール調整 *授業内容についての相談 【事前学習】自分の研究を5分程度で説明できるようにしておく。 (1時間) 【事後学習】反省点をまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
院生の研究の現状についての自己の研究紹介的なプレゼンテーションとフィードバック①
【事前学習】自己の研究についての説明の構成と説明の語句文章を考案しておく。 (2時間) 【事後学習】反省点をまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
院生の研究の現状についての自己の研究紹介的なプレゼンテーションとフィードバック②
【事前学習】自分以外の哲学研究への関心について自己分析しておく。 (2時間) 【事後学習】自他の研究の共通点を言語化できるようにしておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
教員の研究の現状についてのプレゼンテーション
【事前学習】哲学や美学の研究方法について事前に調べておく。 (2時間) 【事後学習】研究の方法について発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
院生の研究支援授業(教員の講義、リクエスト授業や講読等)①
【事前学習】自分の研究に資する美学的テーマを広い立場から一般的に考える。 (2時間) 【事後学習】テーマの広さ狭さについて発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
院生の研究支援授業(教員の講義、リクエスト授業や講読等)②
【事前学習】自分の研究に資する美学的テーマを考える。 (2時間) 【事後学習】自分の問題意識にある一般性と特殊性について発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
院生の研究支援授業(教員の講義、リクエスト授業や講読等)③
【事前学習】自分の研究に資する美学隣接的テーマを考える。 (2時間) 【事後学習】領域境界について発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
院生の研究支援授業(教員の講義、リクエスト授業や講読等)④
【事前学習】美学史上のテーマと哲学史上のテーマとを比較して見解をつくっておく。 (2時間) 【事後学習】授業において発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
院生の研究支援授業(教員の講義、リクエスト授業や講読等)⑤
【事前学習】美学の基本的なテーマについてまとめておく。 (2時間) 【事後学習】テーマについて発見したことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
院生の研究発表と講評①
【事前学習】9回までの授業で、美学の研究方法について得たことをまとめておく。 (2時間) 【事後学習】本日の研究発表から学んだことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
院生の研究発表と講評②
【事前学習】他者の研究と自己の研究との間で、哲学的問題について共有できる点を考えておく。 (2時間) 【事後学習】本日の研究発表から学んだことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
院生の研究発表と講評③
【事前学習】他者の研究と自己の研究との間で、哲学的問題について共有できる点を考えておく。 (2時間) 【事後学習】本日の研究発表から学んだことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
院生の研究発表と講評④
【事前学習】他者の研究と自己の研究との間で、哲学的問題について共有できる点を考えておく。 (2時間) 【事後学習】本日の研究発表から学んだことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
院生の研究発表と講評⑤
【事前学習】他者の研究と自己の研究との間で、哲学的問題について共有できる点を考えておく。 (2時間) 【事後学習】本日の研究発表から学んだことをまとめておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
美学研究の方法について、振り返り
【事前学習】授業をふり返って、自己の研究の方法と内容について反省しておく。 (2時間) 【事後学習】美学の研究のありかたについてまとめておく。 (3時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 教室にて提示します。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業参画度(50%)、自己の研究発表・プレゼンテーション(50%) 「授業参画度」とは、出欠だけでなく、授業内容への参加度(積極的な質疑応答や主体的な提案、解釈や批評や討論への意欲や貢献など)を評価するものです。 |
オフィスアワー | 対面授業時の場合は金曜日2限の後の昼休みになります。それ以外では、日程を合わせてズームミーティングにて対応します(メールにて申し出てください)。 |