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令和3年度以降入学者 | 自然地理学特別講義 | ||||
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教員名 | 八木浩司 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 地理学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | 地形・自然環境を読みとれるよう対面授業と地形図判読,および現地学習を行う. |
授業概要 | 全地球規模での気候変化は,単に気温の変化のみならず陸域・海域の拡大縮小や海面の上昇・下降を引き起こした結果,地表に過去の海岸や流路跡を現在に残している.すなわち地表は,過去の様々な環境下で発達した地形面の複合体である.また,気候変化に伴う海面変化が人類の活動領域にも影響している.この授業では,日本やその周辺地域とヒマラヤ地域を取り上げ,地図,画像資料を用いて地表に残された様々な時期の地形面を個々に認知・区分・解析することで,断層運動・山地形成までをも捉えることが出来ることを示す.また,それらの知見をもとに,地形が気候や植生さらには人々の暮らしにまで影響を与えていることと示す. |
授業のねらい・到達目標 | 第四紀後半,約100万年間の地球環境変動とりわけ気候変動と地殻変動との重合現象として現れる地形変化について10³〜10⁶年の時間スケールで理解する.地球環境科学分野のうち地圏環境科学,特に人類の活動場としての地表の成り立ちを学ぶ.身近な景観が過去の環境変化とともに発達したことを理解することを到達目標としている.そして,受講者らが将来さまざまな状況で目にする地形景観から,その地域の自然史を自ら解き明かせる切り口を得られるようにする. |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 最も新しい地質時代,すなわち過去100万〜数万年の時間スケールでの環境変化を理解するため,地形図資料,画像資料を常に提示しながら講義形式で実施する.受講者と調整して土曜日あるいは日曜日を利用して,実際の地表に残された過去の海面下で形成された平坦面や崖線を辿ることを計画している. |
授業計画 | |
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1 |
深海底や大陸氷床に残された気候変化の記録と気候変化の原因 深海底堆積物の酸素同位体比の変化から読み取られた気候変化 【事後学習】過去300万年間の気候変化についてまとめる (1時間) (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
2 |
地上に残された氷河時代の痕跡 氷河地形の解説と日本にも残されている氷河時代の地形 ・日本周辺や海外での沈水谷の発見 【事後学習】地理院地図やGoogleEarthProを用いて国内外に残された氷蝕谷や沈水谷を探す (1時間) (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
3 |
気候変化と人類活動 海面低下にともなう海域の縮小とモンゴロイドの移動 【事後学習】GoogleEarthProを用いてベーリンジアの領域を復元する (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
4 |
発達史地形学への招待:地形面とは何か? 段丘面(平坦面)と段丘崖の意味を読みとる 【事後学習】地図作業結果の提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
5 |
発達史地形学への招待:地形面とは何か2? 地形面の変位の読み取りから活断層を探し出す. 【事後学習】地図作業結果の提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
6 |
気候変化と地殻変動の重合現象としての地形発達・海成段丘の発達 地形を作るもう一つの大きな力としての地殻変動 【事後学習】地理院地図を用いて関東平野の段彩地図の作成・崖線の抽出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
7 |
東京の地形面1(東京山の手を歩いて学ぶ) 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 日常何も気にせず歩いている坂道の意味を探る 【事後学習】レポート作成・提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 |
8 |
東京の地形面2(東京山の手歩いて学ぶ) 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 日常何も気にせず歩いている坂道の意味を探る 【事後学習】レポート作成・提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
9 |
東京の地形面3(東京山の手を歩いて学ぶ) 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 日常何も気にせず歩いている坂道の意味を探る 【事後学習】レポート提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
10 |
東京の地形面4 気候変化と地殻変動が作った東京の地形 東京山の手の土地利用を探る 【事後学習】レポート提出 (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
11 |
大地形を読み取る:ヒマラヤ地域の地理的定義と他地域との比較 東西2000kmの大山脈の両端は大河によって画されている 【事後学習】GoogleEarthProを用いてヒマラヤ周辺国を確認する (1時間) 【担当教員】yagihiroshi 【授業形態】対面授業 |
12 |
ヒマラヤ地域の地質構造の形成と地質帯区分 ユーラシア大陸とインド亜大陸の衝突で形成されたヒマラヤ山脈 【事後学習】GoogleEarthProを用いてインド洋中央海嶺の位置を捉える (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
13 |
ネパール・ヒマラヤの活断層と地形帯区分 現在でも続くヒマラヤ山麓部での活断層の活動と地殻変動と災害 【事後学習】2015年ネパール・ゴルカ地震について調べてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
14 |
ヒマラヤの発達と北半球の気候形成 モンスーン気候を引き起こすヒマラヤ・チベット高原 【事後学習】エルニーニョとは何かをまとめてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
15 |
ヒマラヤ地域の植生と農耕・食生活
【事前学習】サラソウジュについて調べてみよう (1時間) 【担当教員】八木浩司 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 特に指定しない |
参考書 | 貝塚爽平ほか 『写真と図で見る地形学』 東京大学出版会 1985年 第増補新装版 池田安隆ほか 『活断層とは何か』 東大出版会 1996年 酒井治孝 『ヒマラヤ形成史』 東大出版会 2023年 参考書を図書館で借りたりして独自学習して下さい. |
成績評価の方法及び基準 | 試験(60%)、レポート:授業中の課題について40%評価する(40%) |
オフィスアワー | 非常勤講師なので授業後に時間を取ります. |