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令和3年度以降入学者 | 物性物理学特論 | ||||
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教員名 | 石田浩 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 開講区分 | 文理学部 | |
科目群 | 相関理化学専攻 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | 対面授業 |
授業概要 | “物性”すなわち、物質の性質をミクロの物理法則から理解する。物性物理学では、物質の巨視的な性質(色、硬さ、電気伝導率、磁化率など)を、物質中のイオンと電子の振舞いにさかのぼって微視的に理解する。ここでイオンや電子の運動を記述するため量子力学が必要となり、また熱平衡状態の莫大な個数の粒子を扱うため統計力学が必要となる。本講義では、結晶固体の電子物性を中心に学ぶ。まず、自由電子モデルを用いて、波数空間、状態密度、フェルミ準位等の概念に親しむ。次に結晶格子ポテンシャルによって、電子のエネルギーバンド構造が生じることを学ぶ。エネルギーバンド構造に基づいて、固体の電気物性(金属、半導体、絶縁体)や光学特性が理解できることを示す。また電子と格子振動の結合によって超伝導状態が発生することを学ぶ。 |
授業のねらい・到達目標 | 本授業では、まず多電子系を扱うための一体近似(平均場近似)について説明する。次に自由電子モデルを用いて、波数空間、状態密度、フェルミ準位等の概念に親しむ。次に結晶格子ポテンシャルによって、電子のエネルギーバンド構造が生じることを学ぶ。エネルギーバンド構造に基づいて、固体の電気物性(金属、半導体、絶縁体)や光学特性が理解できることを示す。エネルギーバンドの応用として、半導体の電子状態とトランジスタなどの原理を学ぶ。また、電子と格子振動の結合によって超伝導状態が発生することを学ぶ。 ・多電子系を扱うための一体近似(平均場近似)について説明できる。 ・自由電子モデルを用いて、固体中の電子の状態密度、フェルミ準位等を計算できる。 ・周期的な格子ポテンシャルのある場合のシュレーディンガー方程式を波数空間で書き表すことができる、 ・電子のエネルギーバンド、エネルギーギャップについて説明できる、 ・ユニットセル中の価電子数とエネルギーバンドの占有数の関係を説明できる、 ・エネルギーバンド構造にもとづいて金属、絶縁体に分類できる、 ・代表的な結晶のエネルギーバンド構造を理解して、状態密度から物質の物性を予測できる、 ・真性半導体、不純物半導体(p型、n型半導体)、ドナー準位、アクセプター準位について説明できる、 ・孤立イオンの磁気モーメント、隣接イオン間の相互作用による強磁性転移について説明できる。 ・超伝導体の物性について説明できる、 ・超伝導に関するBCS理論について説明できる(A-3-3)。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 黒板およびパワーポイント教材を使った対面形式で対面授業を行う。 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクションとして、物性物理学とは何かを説明する。また原子核と電子からなる物質系のハミルトニアンについて学ぶ。
【事前学習】「量子力学」、「量子化学」のノートを復習しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
2 |
ボルンーオッペンハイマー近似について学ぶ。また、ビリアル定理とヘルマン-ファインマン定理にいて学び実際の問題に応用する。
【事前学習】「量子力学」、「量子化学」のノートを復習しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
3 |
多電子系のハミルトニアンおよびパウリの排他原理について学ぶ。
【事前学習】「量子力学」、「量子化学」のノートを復習しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
4 |
スレーター行列式および波動関数を展開するための基底関数の考え方を学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
5 |
ハートレー-フォック近似について学ぶ。1体、2体の数密度関数について学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
6 |
ハートレー-フォック方程式を導く。セルフコンシステント場について学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
7 |
電子気体について、相互作用のない場合の自由電子気体の性質を復習する。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
8 |
ハートレー-フォック近似を電子気体に適用して、交換エネルギー、交換ホールについて学ぶ。
【事前学習】2x2の行列の固有値方程式の解法を復習する。エルミっと行列の固有値がじっすであることを復習しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
9 |
電子気体の相関エネルギーについて学ぶ。MP2近似の範囲で電子気体の相関エネルギーを導く。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
10 |
電子気体の相関エネルギーについて、ゲルマン-ブルックナーの摂動展開の結果、Green関数モンテカルロ法の計算結果について学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
11 |
密度汎関数理論の基礎定理を学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
12 |
密度汎関数理論について、コーン-シャム方程式を導く。またセルフコンシステント場について復習する。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
13 |
結晶中の電子について、ブロッホ定理やエネルギーバンド構造など1電子近似の理論で学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
14 |
密度汎関数理論に基づく結晶の電子構造について学ぶ。
【事前学習】これまでの授業内容について復習しておくこと。 (2時間) 【事後学習】解けなかった問題について、もう⼀度ノート、パワポ教材を参照して解きなおすこと (2時間) |
15 |
まとめ(これまでの復習・解説を⾏い,講義内容の理解を深める)
【事前学習】「物性物理学特論」のテキストをまとめたノートを整理する。 (2時間) 【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト:授業中に小テストを実施する(70%)、授業参画度:授業中の演習問題・質問への回答を評価する(30%) |
オフィスアワー | 授業内容に関する質問は授業後あるいは学科事務室で受け付けます。その後、時間を調整して、物理学科図書室または本館1階で応対します。 |