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心理療法特論

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令和5年度以降入学者 心理療法特論
教員名 清原舞子
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 心理学専攻
学期 通年 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業概要 本講義では、心理療法を学派や技法の知識として学ぶのではなく、クライエントの語りや困りごとを丁寧に聴き取り、アセスメントに基づいて適切な心理療法を選択・実践していく臨床的思考過程を学ぶ。心理療法においては、主訴や症状の背後にある背景や文脈を理解することが重要であり、その理解に基づいて関わり方を検討する必要がある。
授業では、心理療法の基本的理論や枠組みを踏まえた上で、具体的なケースを用いた検討やロールプレイを行い、クライエントに合わせた心理療法の在り方を体験的に学ぶ。また、臨床体験の振り返りやイメージを用いた内省を通して、臨床家自身の感情や反応、倫理的配慮についても考察する。
なお、本講義は、精神科クリニックにおいて心理臨床家としての実務経験を有する教員が担当し、臨床現場での実践に基づいて培われた知識・技能・経験をもとに、心理療法の理論と実践を結びつけながら解説する。対話や小グループでの学びを重視し、体験・理論・振り返りを往還する集中講義として構成する。
授業のねらい・到達目標 本講義の到達目標は、心理療法を「クライエントに合わせて選択し、関わる実践」として捉え、臨床における基本的な思考の流れを体験的に理解することである。そのために、①クライエントの語りや困りごとを丁寧に聴き、症状や心理的課題を整理する視点を身につける、②アセスメントに基づいて心理療法の方針や関わり方を検討する、③ケースに応じて複数の心理療法的アプローチを比較し、その選択理由を説明できるようになる、④臨床家としての自身の反応や限界に気づき、倫理的配慮を含めて振り返る、といった学びを通して、クライエント中心の心理療法を体験的に理解することを目指す。
授業の形式 講義、演習
授業の方法 本講義は、講義、体験的ワーク、対話、振り返りを組み合わせた集中講義として行う。心理療法に関する理論的説明は、臨床実践における具体的な場面や事例を参照しながら行い、理論と実践を往還的に理解できるように構成する。 
また、イメージや表現活動(粘土や絵画等)を媒介とした体験的ワークを取り入れ、対話の中で生じる感情や身体感覚、内的反応に注意を向ける機会を設ける。体験後には、ペアや小グループでの対話、全体での共有を通して振り返りを行い、体験と理論を結びつけながら理解を深める。 
授業は対話を重視した進行とし、発言や共有は任意とする。学生が安心して参加できる場を大切にしつつ、体験・対話・省察を通して心理療法の実際を体験的に理解することを目指す。
授業計画
1 オリエンテーション。本講義の目的と進め方を確認し、心理療法を「クライエントの語りを起点に、関わり方を選択する実践」として学ぶ視点を共有する。
【事前学習】シラバスを読み、心理療法についてこれまで学んできたことや疑問点を整理しておく。 (1時間)
【事後学習】講義全体の構造と、本講義で重視される視点を振り返る。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
2 心理療法の目的と基本的な枠組みについて概説し、「主訴」「困りごと」「症状」の違いを整理する。クライエントの語りをどのように理解するかを検討する。
【事前学習】心理療法の目的や役割について、基礎的な文献を読んでおく。
【事後学習】主訴・症状・背景の関係について、自分なりに整理する。
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
3 心理療法におけるアセスメントの考え方を学び、聞き取りの中で何に注目するのかを理論的に整理する。
【事前学習】アセスメントという言葉から連想される内容を整理しておく。 (1時間)
【事後学習】講義で扱ったアセスメントの視点をまとめる。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
4 アセスメントと心理療法の選択の関係について学び、ケースに応じて関わり方がどのように変わるのかを検討する。心理療法と薬物療法の役割分担にも触れる。
【事前学習】代表的な心理療法の名称と特徴を簡単に確認しておく。 (1時間)
【事後学習】心理療法を選択する際に重要だと感じた点を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
5 簡単なケースを用いて、クライエントの語りから困りごとや症状を整理し、どのようなアセスメントや関わりが考えられるかを全体で検討する。
【事前学習】第2〜4回の内容を振り返っておく。 (1時間)
【事後学習】ケース検討を通して得た気づきを言語化する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
6 本日扱うケースを提示し、クライエントの語りや主訴をもとに、どのような情報を聴き取り、整理する必要があるのかを検討する。アセスメントの視点を確認する。
【事前学習】前日の講義内容(主訴・症状・アセスメント)を振り返っておく。 (1時間)
【事後学習】ケースの中で気になった点や、さらに聴く必要があると感じた点を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
7 ケースをもとにロールプレイを行い、クライエントの語りを聴く体験を通して、対話の中でどのような仮説が立ち上がるかを検討する。
【事前学習】クライエントの語りを聴く際に、何を理解しようとしているのかについて考え、自身が「聴かれる側」だった経験を振り返っておく。 (1時間)
【事後学習】ロールプレイで生じた気づきや戸惑いを振り返る。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
8 描画法を用いたロールプレイを行い、対話的イメージ法の視点から、イメージを手がかりとしたアセスメントの考え方を学ぶ。
【事前学習】描画法やイメージを用いた心理療法の基本的な考え方を確認しておく。 (1時間)
【事後学習】イメージを扱う際に感じた難しさや可能性を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
9 不安階層表を用いた行動療法・認知行動療法の視点を紹介し、ケースに対してどのような介入が考えられるかをロールプレイを通して検討する。
【事前学習】行動療法・認知行動療法の基本概念を復習しておく。 (1時間)
【事後学習】描画法を用いた関わりとの違いや共通点を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
10 これまでのロールプレイを振り返り、アセスメントに基づいて心理療法を選択するとはどういうことかを整理する。複数の関わり方を比較し、選択理由を検討する。
【事前学習】第6〜9回の内容を振り返っておく。 (1時間)
【事後学習】「なぜこのケースにこの関わりなのか」を自分の言葉でまとめる。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
11 イメージを用いた内省的アプローチについて概説し、心理療法においてイメージがどのような役割を果たすかを整理する。その後、描画や造形を用いて、心に浮かぶイメージを形にし始める。
【事前学習】イメージや象徴を扱う心理療法、芸術療法に関する基礎的文献を読んでおく。 (1時間)
【事後学習】制作過程で心に浮かんだイメージや感情を記憶しておく。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
12 表現活動を継続し、必要に応じて手を加えながら作品を完成させる。完成後、作品にタイトルを付し、写真を撮影する。
【事前学習】自由連想や夢の扱い方に関する基本的な考え方を確認しておく。 (1時間)
【事後学習】制作過程と完成した作品を振り返り、イメージや感情の変化を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
13 他者の作品を鑑賞し、それぞれの作品から受け取った印象やイメージについて考える。イメージをどのような距離感で扱うかについて検討する。
【事前学習】遊戯療法や芸術療法におけるイメージの扱われ方について文献で調べておく。 (1時間)
【事後学習】他者の作品に触れて生じた自分自身の反応を振り返る。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
14 自分の作品と制作過程について、無理のない範囲で全体に共有し、対話を通して体験を振り返る。発言や提示は任意とする。また、イメージや内界を扱う際の倫理的配慮や「安全な空間」の重要性について確認する。
【事前学習】心理療法における倫理や守秘、内界表現に関する文献を読んでおく。 (1時間)
【事後学習】共有や対話を通して気づいた点を整理する。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
15 すべての共有を踏まえ、作品と体験について質疑応答を行う。質問や応答は任意とし、イメージの扱い方や臨床家としての姿勢について全体で確認する。講義全体のまとめを行う。
【事前学習】これまでの体験を振り返っておく。 (1時間)
【事後学習】本講義を通しての学びをレポートとしてまとめる。 (1時間)
【担当教員】清原舞子
【授業形態】対面授業
その他
教科書 使用しない
参考書 高瀬由嗣・他 『「心理アセスメントの理論と実践―テスト・観察・面接の基礎から治療的活用まで」』 岩崎学術出版
『描画テスト」 (髙橋依子)』 北大路書房
成績評価の方法及び基準 レポート:授業で扱ったケースや体験を踏まえ、クライエントの困りごとの理解や心理療法の選択についてどのように考察しているか、テーマ設定・内容・提出状況を総合的に評価する(60%)、授業参画度:ケース検討、ロールプレイ、対話、話し合いへの取り組みや授業への参加状況などをもとに評価する(40%)
オフィスアワー 全授業終了後、教室(20分)、あるいはメールにて質問等を受け付ける。

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