文理学部シラバスTOP > 大学院博士前期課程 > 相関理化学専攻 > ナノサイエンス特論
日本大学ロゴ

ナノサイエンス特論

このページを印刷する

令和5年度以降入学者 ナノサイエンス特論
教員名 川上隆輝
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 相関理化学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業(一部遠隔授業)
授業概要 本授業では、ナノスケールで生じる物理現象と、それを応用した最先端のナノテクノロジーについて体系的に学ぶ。ナノサイズの領域では電子のふるまいが量子論に支配されるため、講義の前半では量子力学の基礎的概念を復習し、ナノ科学を理解するために必要な理論的基盤を固める。
続いて、ナノテクノロジーが活用されている代表的な応用例として、パソコンやスマートフォンに搭載されるメモリ技術を取り上げる。現在主流の半導体メモリ(DRAM)は微細化技術の限界に近づいており、次世代メモリとして高い注目を集めているのが磁性体を用いたマグネティック・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)である。授業の中盤では、MRAM の理解に欠かせない磁性物理の基礎を詳しく解説する。
最後に、人工格子(superlattice)構造の物理とその作製技術を学び、ナノスケールの設計によって新しい機能を創出する考え方を理解する。これらを総合し、MRAM をはじめとする最先端ナノデバイスの物理的原理と技術的背景を深く理解することを目標とする。
授業のねらい・到達目標 本授業では、ナノスケールで生じる物理現象を理解する上で不可欠となる 量子論の基礎概念の習得 を目指す。ナノサイズの領域では、電子や原子のふるまいが古典力学とは異なり量子力学的に振る舞うため、量子論の考え方を理解することが、ナノサイエンスを正しく捉えるための出発点となる。
受講者の多くが実験を中心とした研究に携わっていることを考慮し、講義では 複雑な計算を扱わず、ミクロの世界で起こる現象を 直感的に理解できること を重視する。具体的には、量子論に基づく基本的な概念(波動性、エネルギー準位、トンネル効果など)を視覚的な説明や具体例を通して学び、これらがナノサイエンスやナノデバイスの理解へどのようにつながるのかを掴むことを到達目標とする。
授業の形式 講義
授業の方法 本授業は、対面授業(第1回〜第14回) と オンデマンド型授業(第15回:学期末テスト) を併用して実施する。原則として対面での受講を前提とするが、対面参加が困難な学生については、学部が定める条件を満たし、教員の許可を得た場合に限り、オンデマンド型での受講を認める。
各回の対面授業の受講後には、Canvas LMS を用いた確認テストに必ず取り組むこと。確認テストは、学習内容の定着を目的として授業後に配信し、解答後は採点とともにコメントフィードバックを返す。オンデマンド受講の学生についても、同様に確認テストへの解答を必須とする。
授業内容に関する質問は、授業終了後の時間帯またはメールで受け付ける。理解が難しい内容については、学生のレベルに合わせて個別に対応する。
履修条件 本授業を効率よく学習するためには、量子力学または量子化学の基礎的な考え方に触れた経験があることが望ましい。しかし、これらの分野をまだ本格的に学んでいない学生であっても受講可能であり、講義では必要に応じて量子力学的概念を 最小限の数式で直感的に理解できるよう工夫して解説する。
近年では、地球情報数理科学専攻の学生から受講希望の相談を受けることがあるが、授業内容に興味を持ち積極的に取り組む姿勢があれば歓迎する。専攻に関わらず、ナノサイエンスに関心を持ち、量子論的視点を学ぶ意欲のある学生の履修を期待する。
授業計画
1 ナノサイエンスとは(授業のテーマや到達目標および授業の進め方について説明する。残りの時間で,授業で展開する内容の一部を紹介し,興味を持って受講できるか判断してもらう)
【事前学習】量子力学および量子化学の復習をする。 (2時間)
【事後学習】ナノサイエンスに関する興味ある物理及び化学に関する現象を調べる。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
2 エネルギー量子の発見と量子力学の誕生(ナノサイエンスの理解に不可欠な知識のおさらい)
【事前学習】量子力学の誕生に貢献したプランクの発見を調べる。 (2時間)
【事後学習】古典論と量子論の違いを理解し,応用できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
3 原子の構造と量子論(電子の軌道について学ぶ)
【事前学習】原子に束縛された電子のエネルギー準位は連続ではなくとびとびの値しかとれない理由を調べる。 (2時間)
【事後学習】ハイゼンベルクの不確定性について理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
4 磁性の種類と強磁性体(マクロな分類とミクロな分類と磁気モーメントを揃える相互作用について学ぶ)
【事前学習】室温で強磁性を示す元素を3つ調べる。 (2時間)
【事後学習】磁性体の分類を理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
5 電子配置と配位子場(磁性を担う電子のスピンについて学ぶ)
【事前学習】ボーア磁子について調べる。 (2時間)
【事後学習】弱い結晶場と強い結晶場の違いについて理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
6 水素原子(シュレディンガー方程式を用いて水素原子を学ぶ)
【事前学習】1次元自由粒子のシュレディンガー方程式がどのようものか調べる。 (2時間)
【事後学習】電子の軌道について,どのように導かれるか理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
7 分子軌道と交換相互作用(交換エネルギーと強磁性の発現原因について学ぶ)
【事前学習】原子軌道が混成し分子軌道になるとどのようなことが起こるかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】強磁性の発現原因とはどのようなものであるか,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
8 超交換相互作用と二重交換相互作用(磁性イオンの間に非磁性イオンが入る場合の磁気秩序の仕方について学ぶ)
【事前学習】反強磁性になる酸化物と強磁性になる酸化物を調べる。 (2時間)
【事後学習】超交換相互作用と二重交換相互作用を理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
9 磁性のバンド理論(金属の磁性について学ぶ)
【事前学習】典型的な金属で強磁性を示す元素を調べる。 (2時間)
【事後学習】絶縁体の磁性体と金属の磁性体の磁気秩序の仕方の違いを理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
10 人工格子とナノサイエンス(薄膜製造装置の原理や扱い方を学ぶ)
【事前学習】人口格子とはどのようなものかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】ナノサイエンスを支えている技術について整理する。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
11 巨大磁気抵抗効果(磁気抵抗について学ぶ)
【事前学習】ハードディスクドライブについて調べる。 (2時間)
【事後学習】磁気ヘッドの原理を理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
12 トンネル磁気抵抗効果(TMR)(ナノサイエンスを駆使して作られる磁気デバイスについて学ぶ)
【事前学習】トンネル効果について調べる。 (2時間)
【事後学習】人工格子によって作成された物理的特性とその応用について理解し,説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
13 マグネティック・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)(MRAMについて解説をする)
【事前学習】MRAMについて調べる。 (2時間)
【事後学習】DRAMとMRAMの違いについて説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
14 NAND型フラッシュメモリ(世界最先端のメモリ技術について学ぶ)
【事前学習】メモリの種類について調べる。 (2時間)
【事後学習】SSDとHDDの利点と欠点を整理し理解する。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】対面授業
15 ナノサイエンス特論のまとめと学期末テストを行いフィードバックする。
【事前学習】ナノサイエンス特論の総復習を行う。 (2時間)
【事後学習】ナノサイエンスとマクロなサイエンスの違いを説明できるようにする。 (2時間)
【担当教員】川上隆輝
【授業形態】オンデマンド型授業
その他
教科書 なし
参考書 太田恵造 『磁気工学の基礎Ⅰー磁気の物理- (共立全書)』 共立出版株式会社 1973年 第初版
参考書が必要な学生は授業の終了後またはメールで連絡をしてもらえれば対応する。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:第15回の授業のときに学期末テストを行う。学期末テストは点数で評価する。(30%)、授業参画度:確認テストの解答状況を授業参画度として評価する。(70%)
学期末テストは他の受講生の解答を参考にしなければ,何を参照にしても構わない。
確認テストは期日を設けて提出してもらう。確認テストの提出が遅延になった場合は減点する。
教員の許可をもらってオンデマンド型で受講する学生は,授業の教材の視聴状況と確認テストの得点を総合的に評価して授業参画度とする。学期末テストは対面の学生と同じものを一緒にオンデマンド型で受けてもらう。
オフィスアワー 対面授業終了後に質問などを受ける。(対面の学生は教室で,オンデマンド型の学生はメールで対応する)

このページのトップ