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歴史と社会1

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科目名 歴史と社会1
教員名 伊藤雅之
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業概要 古代ギリシア・ローマ人が作成した文書を題材に、古代人たちがどのような社会情勢の下で生き、そしてまたそこにあった課題にどのように取り組んでいたかという点に光を当てつつ、受講者に当時の人々が問題とし、そしてまた現代においても議論する価値のあるテーマを紹介する。
授業のねらい・到達目標 古代人の文書を直接に読む、つまり間に別の報告者を極力挟むことなく(ただし取り上げる文書自体は現代語訳されたものを使用)、そこで取り上げられている問題に触れ、当時の人々がそれにどう対応し、そしてどのようなことを念頭に文書の形で残したかについて、自分なりに論じることができるようになることを目的とする。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP3及びカリキュラムポリシーCP6に対応しています。
授業の方法 教員の用意するレジュメを基本教材とした講義形式。ただし受講者には事前・事後の学習を求める(各2時間を目安とする)。
授業計画
1 導入(授業の方向性や、授業内で取り上げられる予定の文書の性質や作成者、それが見つかっている地域などについて説明する)

【事前学習】大学および自分が住んでいる地域の図書館に、どのような古代ギリシア・ローマ関連の書籍があるかをチェックしておくこと。

【事後学習】次回やそれ以降の授業に備え、授業内に配布したレジュメで紹介した書籍のいずれかを可能な限り読んでおく。
2 クレタのゴルテュン法典

【事前学習】古代におけるクレタ島(現ギリシャ共和国南端の島)について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する(どのような情報源を用いても構わないが、情報源自体は2つ以上であること)。

【事後学習】ゴルテュンの人々は未成年の者や同じ一家に属する女性と男性の関係をどのようであるべきと捉えていたかについて、自分なりの説明を文章の形で行う(100字以上)。
3 アテナイ人たちが作成した碑文(1)民主政と行政運営

【事前学習】都市国家アテナイ(現アテネ)の民主政について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する(情報源に関する留意点は第2回講義についての事前学習と同様で、これ以降の回でも同じ)。

【事後学習】民主政運営のためアテナイの人々はどのようなことに注意を払っていたといえるのかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う(字数に関する留意点も第二回講義についてのそれと同様で、これ以降の回でも同じ)。
4 アテナイ人たちが作成した碑文(2)地方自治体の文書

【事前学習】都市国家アテナイの地方自治体的存在であるデモス(区)について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】アテナイにおいて地方自治の運営者たちがどのような業務を自分たちの手で行っていたかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。
5 ヘレニズム時代の碑文(1)王と民主的都市国家の関係

【事前学習】ヘレニズム時代とはどのような時代だったかを調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】君主や独裁者を否定しつつ発展したという面を持つギリシア人たちの民主政が、圧倒的な力を持つ王たちとどのように関っていったのかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
6 ヘレニズム時代の碑文(2)中小勢力の連帯

【事前学習】古代におけるロドス島(現ギリシャ共和国東南端の島)について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】中小勢力が連合を形成するに当たりヘレニズム期のギリシア人たちはどのような点に注意を向けたのかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
7 民主政国家における反民主主義的運動

【事前学習】伝アリストテレスの『アテナイ人の国制』がどのような作品か調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】扇動政治家と呼ばれた人々はどのような存在だったかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
8 ローマのギリシア進出をギリシア人はどう見たか?

【事前学習】ギリシア人にとって「バルバロイ(異民族)」が具体的にどのような存在であったかについて、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】ローマがギリシア世界に手を伸ばし始めた頃にギリシア人たちがローマをどのように見ていたかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。
9 ローマ人がギリシア人に送ったメッセージ

【事前学習】共和政期のローマにどのような公職が存在したかについて調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】ローマの統治機関の一つである元老院が共和政期においてどのような存在だったかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。
10 共和政期ローマの当局と市民

【事前学習】ローマで最初の成文法といわれる「十二表法」について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】ローマの元老院と市民の関係について、自分なりの説明を文章の形で行う。
11 キケロの書簡

【事前学習】共和政末期ローマの政治家にして法律・弁論・著述家だったマルクス・トゥッリウス・キケロという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】キケロの書簡が現代に至るまで残ることになった事情について、自分なりの説明を文章の形で行う。
12 元首政期(帝政前期)ローマの皇帝たちの文書

【事前学習】ローマで最初の皇帝として扱われているアウグストゥスがという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】元首政期の皇帝とはどのような存在であったかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
13 元首政期ローマ皇帝と碑文

【事前学習】ローマの時代に作成された凱旋門のうちで現代でも残っているものについて調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】碑文において元首の名が消されているという状況は何を意味するかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
14 元首とその周りの人々の文書

【事前学習】いわゆる五賢帝時代に元老院の議員を務めていた、小プリニウスと呼ばれることも多いガイウス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する。

【事後学習】安定期のローマの皇帝とローマのエリート層はどのような関係にあったかという点について、自分なりの説明を文章の形で行う。
15 総括(期末試験に備えてのこれまで取り上げた内容の復習と補足)

【事前学習】ここまでに配布した資料や自身が作成したノートを見直し、不明点があれば質問できるようにしておく。

【事後学習】配布資料とノートを見直し試験に備える。
その他
教科書 なし
参考書 特定の書籍をここで挙げることはしないが、授業内で配布するレジュメでその日取り上げたテーマに関連した書籍などを適宜紹介することを予定している。
成績評価の方法及び基準 試験(100%)
オフィスアワー 授業終了時

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