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健康の科学3

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科目名 健康の科学3
教員名 須永範明
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
学期 後期 履修区分 選択
授業概要 本授業のテーマは「心の健康」である。現代に生きる私たちの「心の健康」の現状、「心の健康」におけるさまざまな問題、問題に対する効果的な取り組むについて講義する。本授業では、「心の健康」をウェルビーイング(well-being=よい状態)の観点から捉える。ウェルビーイングは、「幸福」や「健康」を含んだ大きな概念である。つまり、健康であり幸福であるという「よい状態」に至り、それを持続するにはどういう事柄が大切か解説する。本授業の内容は主に、ポジティブ心理学の領域で行なわれた実証的な研究の成果に基づいている。すなわち、データに裏付けられた内容である。
授業のねらい・到達目標 本授業のねらいは、心理的健康とウェルビーイング(well-being=よい状態)について学ぶことであり、社会人となった後も永く健康を保ち、自分らしく人生を送る一助とすることである。到達目標は、①心理的健康とウェルビーイングに関わる現代社会の特徴について簡潔に述べることができること、②心理的健康とウェルビーイングが脅かされる状況について簡潔に述べることができること、③心理的健康とウェルビーイングを高める方法をいくつか述べることができることである。
授業の方法 本授業は講義形式である。パワーポイントで要点を提示しながら授業を進める。授業で用いる資料を事前にBlackboardに掲載する。なお、授業で学ぶウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題が3つある。本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とする。
授業計画
1 オリエンテーション
本授業の概要、ねらい・到達目標、授業の方法、成績評価の方法等について説明する。
「心の健康」とウェルビーイングという概念について解説する。
[事前学習]シラバスを事前に読み、授業内容を確認すること。第1回授業資料をBlackboardよりダウンロードし、目を通しておくこと。
[事後学習]第1回授業資料とノートに基づいて、ウェルビーイング(well-being=よい状態)と「心の健康」について復習すること。
2 現代社会と心理的健康
「心の健康」という観点から現代社会の実像を解説する。
[事前学習]第2回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第2回授業資料とノートに基づいて、現代社会の特徴と心理的健康との関連を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。
3 ストレスとは何か
ストレスという概念がなにを指しているのか解説する。
[事前学習]第3回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第3回授業資料とノートに基づいてストレスに関わる諸概念を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。
4 ストレスのしくみ
ストレスの認知的評価理論に基づき、ストレス過程と、それを構成する「認知的評価」と「対処」について解説する。
[事前学習]第4回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第4回授業資料とノートに基づいて、「認知的評価」と関連する要因、「対処」とその種類を「復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。
5 青年期のリスク(1) 従来の青年期観とその根拠
西洋社会で青年期がどのような時期とみなされてきたか解説する。また、その見方が妥当かどうか、実証的研究に基づいて考える。
[事前学習]第5回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第5回授業資料とノートに基づいて、従来の青年期観とそれを裏付ける研究について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
6 青年期のリスク(2) 脳神経科学の青年期研究と新しい青年期観
最新の脳科学研究の成果に基づいて、青年期の脳神経系の特徴と、それが青年の行動傾向とどのように関連するか解説する。あわせて、青年期の見方が変わりつつあることも述べる。
[事前学習]第6回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第6回授業資料とノートに基づいて、最近の脳神経科学研究の成果と新たな青年期観について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
7 Well-beingを高める(1):「意志力」を鍛える
衝動を上手に抑えて、本来自分が望んでいた方向に自分を向かわせるための方法をいくつか解説する。
[事前学習]第7回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第7回授業資料とノートに基づいて、「意志力」を高める方法について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
8 働くこととストレス
働くことに関連して経験するストレスについて解説する。
[事前学習]第8回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第8回授業資料とノートに基づいて、働くことに関わるストレスについて復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
9 成人期のリスクとその対処
働くことに関するストレスに有効な対処を解説する。
[事前学習]第9回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第9回授業資料とノートに基づいて、成人期のストレスへの対処について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
10 Well-beingを高める(2):well-beingに関わる要因
ウェルビーイングを高める(あるいは低下させる)ことが実証的研究で明らかにされている要因について解説する。
[事前学習]第10回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第10回授業資料とノートに基づいて、どのような事柄がウェルビーイングと関係するのか復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
11 Well-beingを高める(3):「今日のよい出来事」など
ウェルビーイングを高める行動として、「今日のよい出来事」等を解説する。
[事前学習]第11回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第11回授業資料とノートに基づいて、「今日のよい出来事」について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
12 Well-beingを高める(4):感謝、親切など
ウェルビーイングを高める行動として、「感謝」、「親切」等を解説する。
[事前学習]第12回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第12回授業資料とノートに基づいて、感謝の気持ちを表わすことと親切にすることについて復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
13 Well-beingを高める(5):認知的再構成
ウェルビーイングを高める方法として、認知的再構成という技法について解説する。
[事前学習]第回授業資料をBlackboardからダウンロードし、熟読し、疑問点や理解の及ばない点を特定すること。
[事後学習]第回授業資料とノートに基づいて、認知的再構成を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること
14 授業内試験と解説
[事前学習]第1回から第13回の内容を復習すること。
[事後学習]試験で出題された内容を、授業資料とノートに基づいて復習すること。
15 まとめ
これまでの講義内容を振り返り、俯瞰的にまとめ、「心の健康」に関する今後の展望を述べる。
[事前学習]講義内容を見直して、あらたに疑問を感じた点や理解が不十分な点がないか確認する。
[事後学習]疑問点が解消されたか確認する。
その他
教科書 なし。授業で用いる資料はポータルサイト(Blackboard)に事前に掲載する。
参考書 マーティン・セリグマン(著) 宇野カオリ(監訳) 『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ』 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014年 第1版
ケリー・マクゴニガル(著) 神崎朗子(訳) 『スタンフォードの自分を変える教室』 大和書房 2012年 第1版
大石繁宏 『幸せを科学する-心理学からわかったこと』 新曜社 2009年 第1版
アンダース・ハンセン(著) 御船由美子(訳) 『一流の頭脳』 サンマーク出版 2018年 第1版
このほか、Blackboadに掲載する資料の中で適宜、参考文献を示す。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(80%)、ウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題(3課題)(20%)
授業内テストでは、授業内容の理解度を評価する。ウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題では、課題を行なったことをポータルサイト(Blackboard)上で報告していただく。具体的なウェルビーイング改善方法を体験することが評価基準である。
オフィスアワー 後期火曜日8:30-8:50、本館講師室にて。
備考 心理学に関する科目を事前に履修していることが望ましい。

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