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令和元年度以前入学者 | 児童文学・絵本論 | ||||
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教員名 | 久米依子 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | オンデマンド型(パワーポイント配信,音声配信)・課題研究授業 Blackboard ID:20201489 |
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授業概要 | 近代児童文学の展開―ライトノベルとの関連まで 西欧児童文学の誕生と展開を学んだ後、日本近代の児童文学発展の歴史を追い、90年代以降のライトノベルの興隆との関連まで確認する。児童文学は、近代社会が始まる頃に発生し、教育制度などと足並みをそろえて発展した。この授業では、西洋の先駆的児童文学を確認してから、近代日本の児童文化の変遷をたどる。明治時代は説話的おとぎ話が流行し、大正期に入ると芸術的な童話が確立。昭和期にはプロレタリア児童文学や写実的な生活童話が注目された。戦後には、児童文学の理論的刷新があり、新時代のテーマと新しい子ども像が描かれた。しかし80年代ころから日本の児童文学は行きづまりを示し、現代ではライトノベルなどとの相互影響が認められるようになっている。近代文学の中の児童文学ジャンルの歴史と特性を知り、ジャンルの揺らぎについても受講者が見解を持つことを目標とする。 |
授業のねらい・到達目標 | 児童文学の発展の経緯を知り、文学ジャンルの中での児童文学の位置と特性を確認できるようになる。 近代日本で児童文学に課せられてきた役割を学び、昨今のライトノベルとの境界の問題についても理解することができる。 児童文学の変容の背景と、今後の課題も考察できるようになる。 この科目は、文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。 なお、新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では、この科目は文理学部(学士)のディプロマポリシーDP2,3,4,5,8及びカリキュラムポリシーCP2,3,4,5,8に対応している。 ・日本文学・日本語学研究を学びながら、それらと深く関わる世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,自己の世界観をもって説明できる。(A-2-2) ・日本文学・日本語学研究を中心としながら、仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察できる。(A-3-2) ・日本文学・日本語学研究に関わる問題の意味を理解し,助言を受けて複数の解決策を提示し説明できる。(A-4-2) ・日本文学・日本語学研究のスキルを身につけながら、新しい挑戦への計画を立て,準備することができる。(A-5-2) ・日本文学・日本語学研究の専門性を身につけながら、自己の学修に関する経験と考えを振り返り,分析できる。(A-8-2) |
授業の方法 | パワーポイントを使用する講義形式で進める。前半はプリントも使用する予定。後半は教科書を使用する。教科書は課題でも使用するので、購入は必須。また、実際に児童文学作品を選んで読んでもらう予定。 課題の提出方法、フィードバック方法等については、授業内で指示する。 |
履修条件 | 教科書を必ず購入すること。 |
授業計画 | |
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1 |
全体のガイダンスと西欧児童文学の発生
【事前学習】シラバスを読み、用語を理解すること (2時間) 【事後学習】第1回の授業内容を理解し、歴史的事項を確認する (2時間) |
2 |
近代児童文学の展開と発展
【事前学習】前回授業の内容を振り返り、取り上げた作品の特性を知る (2時間) 【事後学習】パワーポイントの説明の、次回の授業範囲分を読み理解しておく (2時間) |
3 |
明治期教育制度、児童文化と児童文学の様相
【事前学習】パワーポイントの資料の、難読語の意味、読み方などを調べる (2時間) 【事後学習】授業内容と配布プリントを確認し、文化・教育事象について理解する (2時間) |
4 |
大正期の童心主義童話の発生とその文化的背景
【事前学習】パワーポイントで説明された、独特な用語について調べ、作家名も確認する (2時間) 【事後学習】時代事象に関する学習を整理し、プリント内容と照らし合わせる (2時間) |
5 |
『赤い鳥』の誕生と児童文化に対する影響
【事前学習】パワーポイントの『赤い鳥』に関する事項を理解しておく (2時間) 【事後学習】授業に出てきた作家・作品について調べ、知識を深める (2時間) |
6 |
童心主義童話批判と昭和期の生活童話の特色
【事前学習】パワーポイントの昭和期の説明部分を読み、内容を理解する (2時間) 【事後学習】授業内容と時代思想の関係を調べておく (2時間) |
7 |
第二次大戦以後の刷新――戦後の理論と多様な作品
【事前学習】パワーポイント記載の戦後期の批判を読み、確認しておく (2時間) 【事後学習】成長物語・子ども像の刷新をまとめる (2時間) |
8 |
社会的児童文学から、80年代の変容に至るまで
【事前学習】パワーポイントの80年代に関する解説を確認する (2時間) 【事後学習】80年代の社会的状況と児童文学の関係を理解する (2時間) |
9 |
ライトノベルの発生と現代児童文学との関係を考える
【事前学習】教科書に示された問題設定を読んでおくこと (2時間) 【事後学習】90年代社会状況とライトノベルの関係を理解する (2時間) |
10 |
キャラクターの特性とその発展、受容についての解説
【事前学習】教科書の前提的説明を読んでくること (2時間) 【事後学習】「キャラクター」の特性をまとめておく (2時間) |
11 |
セカイ系という問題
【事前学習】教科書に使われている用語、時代状況の解説を理解する (2時間) 【事後学習】レポート課題の児童文学の選定を行う (2時間) |
12 |
メディアミックスとジャンルの拡大の確認
【事前学習】授業内容に関わる教科書の該当部分を読んでおく (2時間) 【事後学習】レポート課題に取り組み始める (2時間) |
13 |
国際化するライトノベルとジャンルの現在
【事前学習】国際化に関する教科書のメディアミックスの説明を読んでおくこと (2時間) 【事後学習】国際的な文化状況をまとめておく (2時間) |
14 |
現代青少年文化としてのライトノベルの特性と児童文学に関して
【事前学習】教科書の総括的な説明を読んでおく (2時間) 【事後学習】レポート提出の準備 (2時間) |
15 |
全体のまとめと児童文学の今後の展望
【事前学習】教科書、ノートの内容をまとめておくこと (2時間) 【事後学習】課題が理解できたか、確認しておくこと (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 大橋崇行・山中智省 『ライトノベル・フロントライン2』 青弓社 2016年 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:児童文学に関するレポート(40%)、授業参画度:課題の回答(60%) |
オフィスアワー | 水曜日4時間目、木曜日3時間目 7号館4階久米研究室 あるいはメールで連絡 |