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考古学特講２

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令和２年度以降入学者 考古学特講２
教員名 宮原俊一
単位数    2 学年 2～4 開講区分 文理学部
科目群 史学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業です。講義を中心に、実践活動を通じて土器の観察方法を身につけてもらう発見型の体験学習を進めます。そのため、授業に関わる配布資料とは別に、教材キットを配布します。
授業概要 縄文時代の土器は、日常生活を支える必要不可欠な容器であり、特別な時にのみ使う‘ハレのうつわ’でもあり、または死者へ供する副葬品など、象徴的な役割を果たすものもありました。
本講義では、縄文土器を形（器種）や文様、製作技術などの観点から通時的に概観し、各時代にみられる特徴的な施文技術について解説します。講義では実際に施文具－縄文原体－を製作してもらい（体験学習）、多種多様な縄目模様がどのような縄文原体によって表現されるのか（発見学習）、考古資料と比較することにより理解を促します。
授業のねらい・到達目標 本講義では実践考古学の見地から、土器の形態、文様、製作技術に焦点をあてながら縄文土器の見方を修得することができます。また、縄文原体の製作を通じ、縄文土器の装飾効果を高める各種の縄目模様について理解することができるようになります。細やかな観察眼を培うことで、技術的側面から考古資料（遺物）を読み解く力を養うことができます。
<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部（学士（文学）のディプロマポリシーDP3,5及びカリキュラムポリシーCP3,5に対応しています。
<日本大学教育憲章との関係>
・物事を既存の知識にとらわれることなく、人文学的根拠にもとづいて論理的・批判的に考察し、説明することができる。(A-3-3)
・新しい問題に取り組むために、必要な情報を収集し、それを分析して用いることができる。(A-5-3)
授業の形式 講義
授業の方法 授業の形式：講義
対面授業で行います。パワーポイントと配布資料を用いた講義形式となりますが、縄文土器の理解を定着させるため受講生全員に施文原体の製作をしていただきます。
全ての授業に関わる資料は、第１回のガイダンス時に配布します。全６回の実践活動（体験学習）で使用する教材キットについては、第４回の授業以降にまとめて受講生に配布いたします。授業回に応じた教材を授業前に指定しますので、授業には忘れずに、大事に保管してください。
授業内容に関連する課題レポートを４回提示します（第３・７・10・14回授業）。
連絡事項については、Blackboardを利用します。受講生は必ず履修登録期間中にBlackboardに登録してください。
対面授業に参加が困難な場合はメールで直接ご相談ください。
授業計画
1 ガイダンス・縄文時代の土器
【事前学習】「実験考古学」とはどのような研究法であるのかを調べておく。 （2時間）
【事後学習】素材の調達からはじまる土器製作の過程を整理し、まとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
2 縄文土器の編年研究―山内清男の先史土器研究―
【事前学習】配布した資料を読み、縄文土器の大別を理解する。 （2時間）
【事後学習】関東地方における縄文時代の土器を通時的に整理し、まとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
3 土器観察の視点１　器種と機能
【事前学習】容器を使用する現代人の活動内容について考え、整理しておく。 （2時間）
【事後学習】縄文土器の器種と容量についてまとめておく。 （2時間）
【授業形態】対面授業
4 土器観察の視点２　胎土と文様
【事前学習】粘土・シルト・砂・礫がもつ物性の違いについて調べておく。 （2時間）
【事後学習】授業内容に即して文様と模様の違いを整理し、まとめておく。 （2時間）
【授業形態】対面授業
5 草創期・早期の土器
【事前学習】縄文時代草創期・早期の土器について調べておく。 （2時間）
【事後学習】草創期・前期の土器の特徴をまとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
6 施文原体の製作１－無節斜縄文・単節斜縄文－
【事前学習】事前配布資料「特論―縄文施文入門」を一読し、まとめておく。 （2時間）
【事後学習】「節」「条」「段」を整理し、製作した原体模型を記録する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
7 施文原体の製作２―撚糸文・押型文・条痕文―
【事前学習】考古資料の中から、植物質素材を利用した遺物について調べておく。 （1時間）
【事後学習】「絡条体」の原体模型を製作し、施文効果を確認・理解する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
8 前期の土器
【事前学習】縄文時代前期の土器について調べておく。 （2時間）
【事後学習】前期の土器の特徴をまとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
9 施文原体の製作３―多条の縄・附加条・羽状縄文―
【事前学習】指定する分量の「１段の縄」を製作しておく。 （2時間）
【事後学習】附加条第２種・第３種を製作し、記録する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
10 施文原体の製作４―正反の撚・左右の合撚・組紐―
【事前学習】糸・紐・縄・綱、それぞれの違いについて調べておく。 （1時間）
【事後学習】平組紐と丸組紐の構造を比較し、製作した原体を記録する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
11 中期の土器
【事前学習】縄文時代中期の土器について調べておく。 （2時間）
【事後学習】中期の土器の特徴をまとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
12 施文原体の製作５―複節斜縄文と縄軸絡条体―
【事前学習】単節斜縄文を製作し、その構造を再確認しておく。 （1時間）
【事後学習】複節斜縄文の「最小節」を構成する条を考え、原体を記録する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
13 後・晩期の土器
【事前学習】縄文時代後・晩期の土器について調べておく。 （2時間）
【事後学習】後・晩期の土器の特徴をまとめる。 （2時間）
【授業形態】対面授業
14 施文原体の製作６―磨消縄文と施文の方位形態―
【事前学習】回転押圧による縄文がなぜ斜行する条をもつのかを考え、まとめる。 （1時間）
【事後学習】施文効果から「磨消」と「充填」の違いを考え、製作した原体でこれを説明する。 （3時間）
【授業形態】対面授業
15 縄文土器と弥生土器―授業のまとめ―
【事前学習】普段の生活で使われる紐の結び方について考え、これをまとめる。 （2時間）
【事後学習】授業内で製作した原体模型を標本化し、すべてに解説を加える。 （2時間）
【授業形態】対面授業
その他
教科書 指定なし
参考書 各回の授業で必要に応じた参考書を事前に提示します。
成績評価の方法及び基準 レポート(40%)、授業参画度(60%)
授業参画度：60％、施文原体の製作１～６で製作した試作模型から評価します。縄文原体の出来不出来を評価するのではなく、原体の構造を理解できているか〈理解力〉、縄目模様を再現できているか〈再現力〉、土器を正確に評価できるか〈観察眼〉、初見の土器をどのように観察したか〈発想力〉を評価します。
レポート：40％、４回のレポート課題を提示します。与えられた課題に対して、①内容を正確に理解し、②文法的な誤りや誤字がほとんどない文章で表現し、③かつ論旨が明快で論理的な意見が述べられているかを評価します。
実践活動をともなう授業ですが、授業に参加できない場合はオンデマンド動画を配信します。対面授業に参加が困難な場合はメールで直接ご相談ください。
オフィスアワー <オフィスアワー>
授業後に申し出てください。Blackboardまたはメールでも受け付けます。

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