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社会福祉概論1

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令和2年度以降入学者 社会福祉概論1
教員名 中野航綺
単位数    2 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 社会福祉学科
学期 前期 履修区分 必修
授業形態 対面授業
授業の形態 本授業は対面授業を基本とします。ただし出席停止の場合や、合理的配慮の申請のあった学生に関しては、同時双方向型のオンライン受講を認めます。
授業概要 なぜ、この社会には課題に直面してしまう人がいるのでしょうか。その課題はなぜ生じ、またその「生きづらさ」はどのように人々の暮らしを脅かすのでしょうか。

本講義は4年間の学びのスタートラインとして、社会福祉領域の基礎的な知識や社会の見方を学び、問題構造に対する感性を磨きます。
前半では、まず貧困・家族・障害といった、古くから議論されてきた福祉課題について学びます。その上で、労働の変化やジェンダー、少子高齢化といった「現代社会」の構造が産む社会課題について学びます。

授業の後半では、複数の課題が絡まり合う現代特有の現象に注目し、複雑に絡まった福祉課題にどのように向き合う必要があるのかを考えます。ソーシャルワーカーとして向き合わなければならない「社会」の姿を、「ケアと家族」「住まいと暮らし」「地域と共生」の3つのテーマで考えます。

最後に、日本の仕組みを世界と比較する視点を持ち、「当たり前」だと思っていた日本の福祉を客観的に捉え直すことを目指します。福祉国家の姿は国それぞれであることを学び、どのような社会を目指したいかを一緒に考えます。

本授業は社会福祉学科の必修授業ですが、他学科・他学部の学生の受講も歓迎します。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
本科目は社会福祉学科必修科目として、以下のねらいのもとで授業を展開します。
・社会福祉の専門的な学びの土台として、貧困や家族、障害といった諸課題が生み出される「社会の構造」に関する基礎的な知識を身に付ける。
・社会の変化(ジェンダー、労働、少子高齢化等)に伴う新たな福祉課題を理解し、ソーシャルワーカーとして向き合うべき「社会」の姿について多角的な視点を持つ。
・暮らしを支える関連施策や、諸外国との比較を学ぶことで、今後の専門的な学びの視野を広げる。

<到達目標>
本科目を通じて、社会福祉への関心を深めるとともに、以下の内容について、身近な事例や社会構造と関連づけて説明・考察できるようになることを目標とします。
・今日の福祉課題が「個人の問題」ではなく、社会的で構造により生じ、また複数の要因が絡まりあって生じていることを説明できる。
・専門職の視点としてソーシャルワークが展開される現場を知り、支援に必要な価値や知識の基礎を説明できる。
・福祉政策について学び、また国際比較を通じて日本特徴を知ることで、私たちの社会の特徴を客観的に捉えることができる。


なお本科目は、文理学部(学士(社会福祉学))のDP及びCPの3~8の各項目に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
・社会問題と社会構造、社会福祉の関連施策、福祉政策の国際比較を論理的に説明することができる(A-3-1)。
・多様な思想を学び、自分と異なる価値観を理解・尊重することができる(A-6-1)。
・社会や身近な環境に存在する福祉課題を発見することができる(A-4-1)。
授業の形式 講義
授業の方法 ・各回について、配布するレジュメに基づいて講義を行います。
・各回について、リアクションペーパーの提出を求めます。リアクションペーパーに記載の質問等については、次回の授業の冒頭にフィードバックする。
・各回について、復習問題を出題します。ただしこれらは自習課題とし、成績評価には含めません。
・提出物の提出方法等については、授業開始時に案内します。
授業計画
1 テーマ:ガイダンスとイントロダクション(A-4)
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この授業で学ぶ内容や、「社会問題」「社会福祉」の見方について学びます。なぜ「福祉」ではなく「社会福祉」と呼ぶのかから始め、社会福祉と社会問題の関係性を考えます。
【事前学習】「社会福祉」とはどういった制度や実践、価値観なのか、自分なりに考えながら、レジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、「社会福祉」とはなにか、自分の言葉でとらえ直す。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 テーマ:「貧困と格差」を考える(A-3、A-4)
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社会福祉における問題において「貧困」は根源的な問題であるとともに、今日の社会問題にも密接に関わるものです。私たちの社会が「貧困」をどのように扱ってきたのかについて、歴史や制度を学びます。
【事前学習】自分の身近で経験した「貧しさ」や「貧困」の事例や体験を思い浮かべながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、なぜ貧困が社会福祉の課題となるのか、社会が貧困とどのように向き合ってきたのかを整理する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 テーマ:「家族」の中で起きていること(A-3、A-4)
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日本の社会福祉は、その担い手として「家族」に大きな期待を寄せてきました。他方でそのことにより、様々な社会問題が生まれているという側面があります。「家族」と言う集団の中でどのようなことが起こり、問題となっているかについて学びます。
【事前学習】自分にとっての「家族」とはだれを指すのか、その関係は自分にとってどんな存在なのかを考えながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、家族をめぐる社会的な葛藤について自分の考えを整理する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 テーマ:「障害」はどこにある?(A-3、A-4)
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私たちは、何か困りごとがあると「個人」に原因を求めてしまいがちです。しかし、それは本当に正しいのでしょうか。実は「社会」が障害を生み出しているのではないでしょうか。こうした問題に最も取り組んできたのが障害者福祉の議論です。障害の「社会モデル」について、困りごとがどこから生まれるのかを考えます。
【事前学習】「障害」ときいて思い浮かべる「困難」について自分が見聞きしたり体験したものを思い浮かべながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、身近にある「障害」について考え、障害と社会の関係性を考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 テーマ:社会からの「排除」はなぜ起こってしまうのか(A-3、A-4、A-6)
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私たちの社会では、時に誰かが「排除」され、また、課題を抱えた人が「孤立」し「孤独」を味わうことで、より不利な状況におかれることがあります。なぜこうした問題が起こるのでしょうか。またそうした問題に対し、どのように私たちの社会は向き合ってきたのでしょうか。
【事前学習】自身が経験した、「仲間外れ」や「寂しい思い」を思い浮かべながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、社会的排除や社会的孤立がもたらす影響について、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 テーマ:「働くこと」と社会福祉(A-3、A-4、A-6)
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私たちは生きるために「仕事」をしていますが、「仕事」によって困難に陥ることも、また「仕事がない」ことで困難に陥ることもあります。社会福祉を考える上で、切っても切り離せない「働くこと」について、その課題を考えます。
【事前学習】「仕事」という言葉を聞いて、あなたが感じる言葉のイメージを思い浮かべながら、レジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、「仕事」と「生活」のバランスや課題について、自分の理想を考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 テーマ:「ジェンダー」と社会福祉(A-3、A-4、A-6)
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今日、多様な価値観を尊重することの大切さは多くの場面で語られます。しかしどれだけ大事だとわかっていても、私たちはそれぞれ身につけてきた「当たり前」があり、価値観が衝突することも珍しくありません。こうした価値観の問題を捉えるために、社会福祉とも密接に関係するジェンダーの問題を学びます。
【事前学習】自分の性別と「らしさ」について、これまでの経験を振り返りながら、どのような課題があるかイメージしてレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、性別と社会福祉の結びつきや課題について、考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 テーマ:「少子高齢社会」はどんな社会?(A-3、A-4、A-6)
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日本が少子高齢社会である、という話を知らない人はいないと思いますが、では実際にはその社会はどんな社会なのでしょうか。これについて、人口とはなにか、少子高齢社会とはどのような変化を経験する社会なのかを学びます。
【事前学習】少子高齢社会という言葉を聞いてイメージする社会の姿を思い浮かべながら、レジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の説明を振り返りながら、自分が高齢者になった時に日本はどのような社会になっているか想像し、考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 テーマ:福祉の視点で「国家」を考える(A-3、A-4、A-6)
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「福祉国家」という言葉が示すとおり、社会福祉と国家は切り離せないテーマです。私たちが「国」を作り「国民」として暮らすことは、豊かな福祉を生み出す中で重要な役割を担ってきましたが、ときにそうした意識が「排除」を産むことにも注意しなければなりません。
さらに今日のグローバル化の中で、国という境界線が持つ意味も変容しています。こうしたことを踏まえ、グローバルな観点から福祉を考えてみたいと思います。
【事前学習】国家が保障する「安心」や「権利」として、あなたはどの誰の、どんな「安心」や「権利」を思い浮かべるか、想像したうえでレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、国家による福祉の必要性と課題について、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 テーマ:「ソーシャルワーク」はどこで行われている?(A-3、A-4)
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この授業では、「相談支援」を中心としたソーシャルワークの場面を、具体的に学んでいきます。私たちの学んでいる社会福祉の知識が、どこでどのように活用され、どのようにして人々を支えているのかを、社会福祉士の活躍する場面を知ることで学びたいと思います。
【事前学習】あなたが身近で「誰かの相談に乗った」「誰かに相談を聞いてもらった」経験を思い出しながら、レジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、専門職として「相談支援」を行うことは日常のそれとどう違うのか考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 テーマ:課題がかけ合わさるとき①ケアの中の人々(A-3、A-4、A-6)
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これまで見てきたとおり、日本の社会福祉においては「家族」がその主たる担い手となってきました。しかし、そうした「家族ありき」の福祉には多くの限界があります。この点について、ケアを担う家族が置かれた環境に注目しながら学びます。
【事前学習】家族の中で、自分がしていたり、ほかの人にしてもらっていたりする「ケア」について思い浮かべながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、家族が「ケア」の担い手になってきたことで生まれる課題について、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 テーマ:課題がかけ合わさるとき②暮らしを支える「家」を考える(A-3、A-4、A-6)
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安心して生活を送るには「住まい」の確保が重要です。しかし、暮らしに困難を抱える人の中には、住まいを確保することが難しい人も多くいます。住まいを確保することの課題がなぜ生まれるのかについて、住宅市場の構造や住まいを確保するときに必要な社会資源なども理解しながら学んでいきます。
【事前学習】もし今日家がなくなったら誰に相談するかを考え、レジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、なぜ住まいを確保することが難しい人がいるのかについて、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 テーマ:福祉的課題がかけ合わさるとき③「地域」という受け皿を考える(A-3、A-4、A-6)
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2000年に社会福祉法が改正された時に、「地域福祉」という概念が法律に盛り込まれました。それ以降「地域」は非常に重要な福祉の担い手として、そしてさまざまな福祉が営まれる場として、注目されています。こうした「地域福祉」の歴史や今日の期待、そして課題について学びます。
【事前学習】あなたにとって「地域」とはどの範囲で、その「地域」にはどんな人が暮らしているか想像しながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、「地域」がなぜ期待されているのか、また地域はどこまで社会福祉の期待に応えられるか、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 テーマ:国際比較を通じて社会福祉を考える(A-3、A-4、A-6)
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人々が幸福に暮らせる社会を作るという課題は、日本だけの課題ではありません。第2次世界大戦後、「福祉国家」を目指して社会を改良する試みが、世界各国で行われてきました。
しかし、そうしたプロセスの結果、この世界には様々な形の福祉国家が生まれています。こうした世界全体の変化について、理論から考えてみたいと思います。
【事前学習】自分が知っている国を思い浮かべ、その国ではどんな状態が「幸せ」と定義されているか考えながらレジュメを読む。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を振り返りながら、なぜ国ごとに理想の「社会福祉」が異なるのか、また他国と比べて日本の「社会福祉」にはどのような特徴があると思うか、自分の考えをまとめる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 テーマ:私たちの暮らしの中で社会福祉を考える(A-3、A-4、A-6)
この授業では、学期の総まとめとして、授業で扱った内容が実際に地域の中でどのように関わってくるのかを考えます。世田谷区社会福祉協議会さんにお越しいただき、本学がある世田谷区ではどんな支援のつながりや実践があるのかを学びます。
【事前学習】ゲストの方に伺いたい内容を考え、事前質問フォームに入力する (3時間)
【事後学習】講義を振り返りながら、自分だったら世田谷区でどんな活動に関われそうかを考えてまとめる。 (1時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 使用しない
参考書 岩田正美 『私たちの社会福祉は可能か -- 社会福祉をイチから考え直してみる』 有斐閣 2024年
授業で直接取り上げることはありませんが、社会福祉学についてより深く学びたい学生は読むことをお勧めします。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:学期末試験の結果で評価します。(85%)、授業参画度:リアクションペーパーの提出状況を元に評価します。1回の出席につき1ポイントで計算します。(15%)
・試験は定期試験実施日(授業期間終了後)に行います。実施方法、実施内容については、授業内で詳細を説明します。
・インフルエンザ、COVID19への感染による出席停止及びこれに準ずる出席困難な事情などで受験できなかった場合には追試を行います。
・合理的配慮等で対面での出席が難しい学生については、レポート試験によって代替します。
オフィスアワー 火曜日午前中:研究室にて対応します。なおあらかじめメール等で連絡を頂けると幸いです(nakano.koki[a]nihon-u.ac.jp)

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